
イランを巡る戦争による市場の混乱で、国際原油相場は3月の1か月間で過去最大の上昇幅を記録し、世界経済に衝撃を広げている。
29日(現地時間)、英国の「ガーディアン(The Guardian)」によると、国際指標のブレント原油は3月初めから足元まで51%急騰した。これは、イラクのフセイン元大統領によるクウェート侵攻で湾岸戦争が始まった1990年9月の月間上昇率46%を上回る水準だ。ブレント原油は27日に1バレル112.57ドル(約1万8,000円)で取引を終え、取引時間中には2022年6月以来の高値となる119.50ドル(約1万9,100円)まで上昇した。米国の指標であるWTIも3月に48%上がり、新型コロナ禍で世界経済が揺れた2020年5月以来の大幅高となっている。
急騰の決定打となったのは、イランによるホルムズ海峡の封鎖だ。世界の石油・ガス輸送量の5分の1が通過する要衝が塞がれ、市場では深刻な供給不足への警戒が強まった。「ガーディアン」は、今回の紛争で1日当たり900万バレルの石油供給が世界市場から失われたと推計している。主要国が11日に4億バレルの備蓄油放出を決めたものの、供給減少の規模がそれを上回り、価格上昇に歯止めをかけられなかった。
トランプ大統領が市場を落ち着かせる効果にも限界がにじむ。戦争初期には、交渉進展の可能性に言及したことで原油相場がいったん落ち着いたが、3月末にイランに対しホルムズ海峡の再開へ10日間の猶予を与えると表明した後は、逆に原油が上昇し、株価は下落した。「シティ・インデックス」のファワド・ラザクザダ市場アナリストは、市場がホワイトハウスの口先介入よりも、根底にある実際の供給リスクを重く見ているとの見方を示した。
エネルギー危機の余波は、金融市場全体の下落にも広がっている。特に安全資産とされる金価格は3月に15%下落し、2008年以来最悪の月となった。株式など他の資産で生じた損失を埋めるため、投資家が金を売却したことが背景にあるとみられる。さらに、「トルコ共和国中央銀行(CBRT)」が通貨リラを防衛するため、先週だけで金50トン、約30億ドル(約4,800億円)相当を売却したことも下落圧力を強めた。
世界の株式市場と債券市場も軟調に推移した。ニューヨーク市場のダウ工業株30種平均は直近高値から10%以上下落して調整局面に入り、英国の「FTSE100指数」は3月に8%超下げて年初来の上昇分を吐き出した。英国やイタリアなど欧州主要国では国債利回りも急上昇し、企業や家計の借り入れ負担が重くなっている。米投資銀行「ジェフリーズ(Jefferies)」のモデュペ・アデグベンボ・エコノミストは、欧州各国政府は2022年のエネルギー危機当時より財政余力が弱まっており、成長見通しへの悪影響は避けられないとの見方を示した。
















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