
中国は5月1日から、アフリカで外交関係を結ぶ53か国に対し、期限付きの無関税措置を実施する。イラン戦争を受けて中東情勢の不安定化が広がる中、グローバルサウスで友好勢力の拡大を図る動きとの見方が出ている。今回の措置では、台湾と外交関係を維持するエスワティニ王国が対象から外れ、台湾の外交空間を狭めようとする思惑もにじむ。
中国国営の新華社によると、国務院関税税則委員会は28日に公告を出し、5月1日から2028年4月30日まで、中国と国交を持つアフリカ53か国に特恵税率方式の無関税措置を適用する。すでに対象となっていたアフリカの後発開発途上国33か国に加え、新たに20か国にも無関税の恩恵を広げる内容だ。中国は2024年12月1日から、中国と外交関係を結ぶアフリカの後発開発途上国33か国に対し、全品目を対象とする無関税措置を続けてきた。
今回の拡大により、アフリカの国連加盟国54か国のうち、台湾と外交関係を保つエスワティニ王国を除くすべての国が、中国の無関税措置の対象に入った。エスワティニは、アフリカで唯一、台湾と正式な外交関係を維持する国でもある。中国が台湾と断交した国には経済的利益を与え、台湾との関係を保つ国は対象から外すというメッセージを鮮明にした格好だ。最近では、台湾の頼清徳(らい・せいとく)総統がエスワティニ訪問を計画したものの、セーシェル、モーリシャス、マダガスカルが専用機の上空通過を認めなかったため、訪問は見合わせとなった。
中国商務省は今回の措置について、対外開放の拡大と中国・アフリカ協力の深化に向けたものだと説明した。あわせて、貿易と投資の協力に新たな弾みをつけるとともに、中国とアフリカの外交関係70周年を節目に、共同発展経済パートナーシップ協定の締結などを通じて協力を広げていく考えも示した。
中国外務省の林剣報道官は29日の定例記者会見で、無関税措置は中国が自発的に開放を拡大し、より多くの国際的責任を担う意思の表れだと述べた。その上で、アフリカと機会を共有し、共同発展を実現したいとの考えを強調している。さらに、今回の措置が中国とアフリカの協力の質を高め、グローバルサウスの連携にも新たな活力をもたらすとの認識を示した。
米国が戦争対応と自国第一主義に軸足を置く一方、中国はその空白を突いて新興国や途上国への働きかけを強めているとの評価もある。中国が「アフリカの代弁者」を掲げ、開発援助、貿易拡大、市場開放を一体で打ち出すことで、親中の支持基盤を広げる可能性があるとの見方も出ている。
















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