
米国際貿易裁判所(USCIT)は7日、米国のドナルド・トランプ大統領が全世界を対象に導入した10%の「グローバル関税」について、違法との判断を示した。トランプ大統領は2月、国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に打ち出した相互関税が連邦最高裁で違法・無効と判断された後、国際収支の赤字是正を理由に最大150日間の関税発動を認める1974年通商法122条を持ち出し、新たな関税措置の導入を表明していた。だが裁判所は、この規定を根拠としても関税賦課は正当化できないと結論づけている。
今回の訴訟は、2月24日にグローバル関税が発効した後、中小企業側が異議を申し立てたことを受けて始まった。原告側は、トランプ大統領が相互関税の代替措置として導入したグローバル関税について、連邦最高裁の画期的な判決を回避しようとする試みだと主張してきた。1974年通商法122条は、深刻な国際収支赤字や差し迫ったドル安を防ぐため、最長150日間の関税措置を可能にする内容となっている。これに対し裁判所は2対1で、今回のグローバル関税は適切な措置には当たらないと判断した。通商法122条に基づく関税賦課は、米ドルの価値が金と連動していた金本位制の下では適用の余地があった一方、金本位制がすでに解体された現在の環境にそのまま当てはめるのは難しいとの見方を示している。
昨年4月の「解放の日(リベレーション・デー)」に打ち出した相互関税に続き、その代替として導入したグローバル関税まで裁判所に否定されたことで、米国のトランプ政権が進める関税政策には相当な打撃が及ぶ見通しだ。NYTは今回の判決について、議会の明確な承認なしに外国製品へ関税を課し、貿易戦争を進めようとしてきたホワイトハウスの動きに対する新たな法的打撃だと報じた。イラン情勢の緊迫化に伴って原油などエネルギー価格が上昇するなか、11月の中間選挙を控えたトランプ大統領の国政運営支持率は第2期発足後で最低水準まで落ち込んでいる。14〜15日に予定される中国訪問を前に、対中交渉力の低下を招く可能性があるとの見方も出ている。
もっとも、今回の判断は最終審ではなく第1審に当たり、米国のトランプ政権が控訴に踏み切る可能性は高い。それでも最終的に敗訴が確定すれば、これまで徴収してきた関税の返還を改めて迫られることになる。相互関税を巡っては現在、1,660億ドル(約26兆円)の還付手続きが進められている。米国のトランプ政権高官は、相互関税を置き換える手段はなお多いと強調してきた。現在は米通商代表部(USTR)が、主要貿易相手国の供給過剰や強制労働の問題を理由に、相互関税の代替を視野に入れた通商法301条調査を進めている。10%の代替関税の適用期間が終わる7月末以降、新たな関税措置の発動につなげる狙いがあるとみられる。
















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