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「半導体を何年も盗んできた」トランプ、台湾武器売却も保留…6つの保証は”遠い昔の話”

梶原圭介 アクセス  

引用:トゥルース・ソーシャル
引用:トゥルース・ソーシャル

13~15日に中国を国賓訪問した米国のドナルド・トランプ大統領は、15日(現地時間)に放送されたFOXニュースのインタビューで、米国製武器を台湾へ追加売却する件について「承認するかもしれないし、しないかもしれない」と述べた。台湾への武器追加売却の可否については「中国次第だ。我々にとって『非常に良い交渉材料』だ」とも語り、米国の台湾関連の安全保障政策が後退するのではないかとの懸念を広げた。

トランプ大統領は中国を離れ、米国へ向かう大統領専用機エアフォースワン内でも、台湾への武器売却について中国の習近平国家主席と「詳細に議論した」と明らかにした。台湾への武器売却を中国と協議しないとした1982年のロナルド・レーガン元大統領による台湾への「6つの保証」に反したのではないかとの記者団の質問には、「1980年代はかなり昔の話だ」と反論した。

17日、政治メディアのAxiosやウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などは、こうしたトランプ大統領の発言を受け、親米色の強い台湾の与党・民主進歩党だけでなく、日本や韓国など米国のアジア同盟国の間でも不安が高まっていると分析した。とりわけAxiosは、トランプ大統領の一部の側近が、中国が今後5年以内に台湾へ侵攻する可能性を懸念していると報じた。台湾政府は「米国との協力に変わりはない」として火消しに動いたものの、波紋は当面続きそうだ。

●トランプ大統領、台湾への「6つの保証」に冷淡な反応

トランプ大統領はFOXニュースのインタビューで、「中国は非常に強大な大国で、それ(台湾)は非常に小さな島だ」としたうえで、「誰か(台湾)が『米国が後押ししてくれるから独立しよう』と言い、我々が9,500マイル(約1万5,000km)を越えて(中国と)戦争するような状況は望んでいない」と述べた。これについて英BBCは、「トランプ大統領が台湾に対し、中国からの独立を宣言してはならないと警告した」と評した。

米国は1979年に台湾と断交し、中国と国交を樹立した。同年、台湾との非公式な外交関係を維持するための「台湾関係法」を制定し、1982年のレーガン政権下で台湾に対する「6つの保証」を公式化している。そこには、米国が台湾へ武器を輸出する際、中国と関連内容を事前に協議せず、台湾の主権に関する立場を変更しないといった内容が盛り込まれた。

これに先立ち、昨年12月、米議会は中国の反発にもかかわらず、台湾への110億ドル(約1兆7,500億円)規模の武器支援案を事前承認した。トランプ大統領はその後、半年近くにわたり、この案への最終署名を先送りしてきた。米国は台湾に対する140億ドル(約2兆2,000億円)規模の別の武器契約も準備している。

こうしたなか、中国側がトランプ大統領に対し、「台湾との武器売却契約を取り消す、延期する、または縮小する代わりに米国製品を輸入する」といった形で取引を持ちかけるとの見方も出ている。今回の発言は、トランプ大統領が「6つの保証」を軽視し、中国側に歩み寄る可能性を示したものだとの評価につながった。

トランプ大統領はFOXニュースのインタビューで、「彼ら(台湾)は我々の半導体産業を何年にもわたって盗んできた」とも主張した。さらに「台湾の半導体企業がすべて米国に来ればいい」と述べ、「任期が終わるころには、世界の半導体産業の40~50%が米国にある状態を望んでいる」と強調した。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、トランプ大統領が習近平国家主席を「友人」と呼んだにもかかわらず、実際には中国側からイランをめぐる戦争や貿易交渉などについて何も引き出せなかったと厳しく評価した。特に、台湾に対して米国製武器の購入を増やし、安全保障の自立を強めるよう圧力をかけてきたトランプ大統領が、その武器を中国との交渉カードとして使うのは矛盾していると指摘している。

●台湾は火消しに苦慮 中国はプーチン大統領を招待

台湾外交部は15日の声明で、「台湾と米国の緊密な協力は台湾海峡の平和の礎だ」と表明し、トランプ大統領の発言の意味を抑える姿勢を示した。特に、米国の対中国防衛線である「第1列島線」(九州~沖縄~台湾~フィリピン)を守るうえで、台湾が核心的な拠点であることを強調している。台湾の頼清徳(らい・せいとく)総統も17日、民主進歩党の創党40周年記念行事で、「台湾は中国の一部ではない。すでに独立した国家だ」と述べた。

同日、中国外交部は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が習近平国家主席の招きにより、19、20日に中国を国賓訪問すると発表した。ロシアとともに対米けん制の共同戦線を築こうとする意図があるとみられている。

梶原圭介
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