
ブラジルの産婦人科病院で、出産中に麻酔をかけられた産婦らに性的暴行を加えたとして起訴された麻酔科医に、懲役30年の判決が下された。現地の医療協会は復権不可能との前提で、専門医資格の剥奪を決定した。
「ザ・ストレーツ・タイムズ」などの報道によると、リオデジャネイロのバイシャーダ・フルミネンセ裁判所は、ジョバンニ・キンテラ・ベゼラ(35)に懲役30年を言い渡し、2人の被害者に対する5万レアル(約1,300万円)の損害賠償を命じたとのことだ。
被告側は量刑を不服として控訴したが、裁判所はこれを棄却した。
事件は2022年7月、リオデジャネイロ近郊のサン・ジョアン・デ・メリチにある産婦人科病院で発生した。帝王切開手術中だった女性患者に対し、ベゼラは過剰な麻酔薬を投与した上で性的暴行を加えた。患者は分娩中で意識がなく、当時の記憶がなかったという。
犯行は病院の同僚らによって発覚した。彼らはベゼラが繰り返し高用量の鎮静剤を投与していることを不審に思い、手術室のキャビネットに携帯電話を隠して映像を撮影したという。その証拠映像によって犯行が明らかとなった。
事件が公になると、過去にベゼラの手術を受けた30人以上の女性が警察に被害を申告し、異常な麻酔の投与や、手術後に記憶を失っていたとする証言が相次いで寄せられている。