
米国でペットとして飼われていたチンパンジーに襲われ、顔面移植手術を受けた女性が、事件から16年が経過した現在の様子を公にした。
2009年、コネチカット州在住のチャーラ・ナッシュ氏が友人宅を訪れた際、飼われていたチンパンジーの「トラビス」に襲われるという衝撃的な事件が発生した。この攻撃により、ナッシュ氏は顔面と両手に壊滅的な損傷を受けた。
顔は移植手術を受けるしかないほど損傷していたほか、トラビスの噛みつきによって目も感染症にかかり、最終的には摘出された。ナッシュ氏はその後、視力を完全に失い、義眼で生活している。
今月12日、オーストラリアの時事番組『60 Minutes Australia』に出演したナッシュ氏は、「人生を取り戻してくれた医療チームには言葉では表せないほど感謝している」「より良い人生を生きる機会を得た」と語った。
現在の体調については、「鼻と上唇にはまだ感覚がないが、回復しつつある。頬と額には感覚がある。全体的に良くなってきている」と説明。さらに「これまでの食事はすべてストローで摂取してきたが、目標は普通に食事ができるようになることだ」と前向きな思いを語った。
また、ナッシュ氏の治療とリハビリには米軍からの支援もあったとされる。米軍は、顔面に重傷を負った兵士の治療法を開発するため、ナッシュ氏の手術と経過に注目し、定期検診を通じて関連情報の提供を受けていた。
なお、事件当時ナッシュ氏を襲ったチンパンジーの「トラビス」は、出動した警察によってその場で射殺された。
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