
近年、日本各地で住宅地付近に出没する野生のヒグマによる人身被害が相次ぐ中、新聞配達中の50代男性がヒグマに襲われ死亡する事件が発生し、衝撃が走っている。
13日付の日本経済新聞によると、前日に北海道で新聞配達員の52歳男性がヒグマに襲われ死亡した事故を受け、北海道警察と猟友会はこの日もヒグマの捜索を続けたが、発見には至らなかった。
前日午前3時頃、北海道で「男性がヒグマに襲われた」との通報を受け、警察などが捜索した結果、藪の中で新聞配達員の男性の遺体を発見した。
ヒグマは民家の玄関前で男性を襲った後、約100メートル離れた空き地の藪まで引きずっていったとみられる。男性の腹部には噛まれた痕があり、引っかかれたような傷も複数確認された。現場には被害者のものとみられる靴や靴下が残されていた。


この日も捜索を続けた捜査当局は、事件現場付近の住宅玄関前でヒグマの足跡を発見した。当局は現場に残されたヒグマの毛や糞、唾液などからDNAサンプルを採取し、男性を襲ったヒグマの特徴を調査する予定だ。
ヒグマは警察が現場に到着した後も、被害男性の遺体のそばから離れず、異常な執着を見せたという。このため警察は、ヒグマが数日以内に再び現場に戻ってくる可能性が高いとみて、24時間態勢で警戒を続けている。
事件現場付近は住宅街と高齢者施設などが密集しており、住民らは大きな衝撃を受けている。70代の住民は「(ヒグマが)どこに潜んでいるかわからないので、昼間でも怖くて外出できない」と不安を訴えた。
北海道はこの事件を受け、「ヒグマ注意・警報制度」に基づく最高レベルの「ヒグマ警報」を当該地域に初めて発令した。当局は住民に対し、ごみを屋外に放置しないこと、ヒグマが活発に活動する早朝や日没時には特に注意することなどを呼びかけている。
野生ヒグマによる事故が増加する日本…「緊急銃器使用許可制度」導入へ
最近、日本の複数の地域でヒグマと人との遭遇事例が相次いでいる。4日には岩手県で81歳の女性が住宅に侵入したヒグマに襲われ死亡しているのが発見された。
2023年、日本ではヒグマによる人身被害が219件発生しており、統計を取り始めた2006年以降で最多となっている。
被害が相次ぐ中、日本政府は警察以外の公務員でもヒグマを射殺できるよう関連規定を改正した。環境省は10日、「人の生活圏にヒグマやイノシシが出没した場合、管轄自治体の長の判断により銃器を使用した捕獲を可能とする緊急銃器使用許可制度を9月から施行する」と発表した。
これまでは民家付近に現れた野生のヒグマを発見した場合、警察に通報して対応を委ねる必要があったが、この制度の施行により、他者に危害を及ぼさない範囲で担当地域の公務員が銃を使用して対応できるようになる。
記事の説明に、岩手県で81歳の女性が住宅に侵入したヒグマに襲われ死亡しているのが発見された。とありますが、本州にはヒグマ居ないよ