
女性スタッフのユニフォームがトレードマークとなり、かつて一世を風靡したレストラン「アンナミラーズ」が日本に戻ってくる。運営元の井村屋グループは、今年12月に東京・南青山で新店舗をオープンすると発表した。2022年に最後の高輪店が閉店して以来、約3年ぶりの再出店となる。
1973年、米国本社との提携で東京・青山に1号店を構えたアンナミラーズは、アメリカ東部の移民「ペンシルベニアダッチ」の伝統家庭料理をベースにしたコンセプトで話題を呼んだ。焼きたてのパイや本格バーガーを提供するスタイルが「温かみあるアメリカの家庭の味」として人気を集め、関東を中心に店舗を拡大。だが、時代の変化と再開発の波にのまれ、2022年夏に惜しまれつつ姿を消した。
閉店後もファンの声は絶えず、オンライン販売やポップアップ出店を継続してきた井村屋。再出店にあたっては、看板メニューであるパイに加えて、ハンバーガーやチーズケーキなども用意されるという。かつての常連客だけでなく、新しい世代にも向けた再起を狙う。
中でも注目が集まっているのが「伝説のユニフォーム」だ。ネット上では「絶対に昔のままがいい」「あの可愛さを再現して」といった声が飛び交い、制服の再登場に期待が高まっている。白いブラウスに華やかなエプロン、そして色とりどりのミニスカート。このスタイルに憧れてアルバイトに応募したという人も少なくなかった。
ユニフォームのデザインは基本的に米国本社と同じだが、首元の開き具合などが日本仕様にアレンジされている。首元を大きく見せる米国版に対し、日本版は立ち襟が特徴的。これは「体格の違い」を考慮して選ばれたもので、当時の井村屋会長・浅田剛夫氏が「アメリカの雰囲気を残しながら、日本人の体型に合う形にした」と説明していた。
今もコスプレ衣装として支持を集めるこのユニフォームは、再び「ファッションアイコン」として注目されそうだ。井村屋は女性スタッフの制服について、従来と同じスタイルを維持する方針を明らかにしている。関係者は「長い準備期間を経てようやく新店舗を迎えることができた。出来たての料理を用意して、皆さまの来店を心よりお待ちしています」と語った。
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