
カザフスタンでは、男性が気に入った女性を誘拐して花嫁にする「アラ・カチュー」という慣習が今も存在する。違法であるにもかかわらず「伝統」という理由で続いているため、カザフスタン政府はついに強制結婚そのものを独立した犯罪として規定し、対策に乗り出した。
16日(現地時間)、キルギスのメディア「タイムズ・オブ・セントラル・アジア(TCA)」によると、カザフスタン当局はこの日から施行される法律を通じて強制結婚と花嫁誘拐行為を法的に禁止したという。新法は結婚を強制する行為を公式に犯罪と認め、違反した場合は最長10年の懲役刑に処せられる可能性がある。
カザフスタン内務省は「今回の刑法改正は市民の権利と自由の保護を強化するためのものだ」と説明した。従来の刑法第125条では「誘拐」の事実が証明された場合のみ処罰が可能だった。結婚の強要や家族・社会的圧力などは別途規定されておらず、誘拐犯が被害者を自発的に解放すれば処罰を免れる免責条項まであり、大きな抜け穴があった。
しかし、今回の改正でその条項は削除された。新たに設けられた刑法第125条の1「婚姻強要」は、単なる誘拐だけでなく、暴力・圧力・心理的強要を通じた結婚も含む。被害者が未成年の場合、集団犯罪の場合、または公務上の地位を濫用した場合には、加重処罰が適用される。警察は「以前は誘拐された人を自発的に解放した者は刑事責任から免除される可能性があったが、今はその可能性がなくなった」と述べた。
この変更は、現地で依然として蔓延する強制結婚目的の女性誘拐慣行を抑制するためのものだ。アラ・カチューは900年以上続く「現代版花嫁略奪」であり、女性が男性に誘拐されると、その男性と結婚しなければならない慣習だ。
カザフスタン西部マンギスタウ州検察庁は「婚姻強要とは、圧力や暴力を通じて本人の意思に反して結婚を成立させる行為だ。これは重大な人権侵害であり、女性の同意なしに誘拐することは伝統ではなく犯罪だ」と指摘した。
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