繰り返された火山噴火が火星の赤道に氷の堆積物を形成した可能性が指摘された。宇宙科学メディア「Space.com」は、爆発的な火山活動が火星の低緯度地域に氷と火山灰を降らせ、氷の堆積物を形成した可能性があるという研究結果を紹介した。この研究は今月、国際学術誌「ネイチャー コミュニケーションズ(Nature Communications)」に発表された。

新研究によると、火星の古代の火山噴火が赤道地域の地下に存在する可能性のある氷の痕跡を説明できるかもしれないという。以前の研究によれば、火星表面には豊富な氷層があり、その大部分が地球と同様に極地方に集中しているとされていた。
しかし最近、火星探査機の「マーズ・オデッセイ」と「エクソマーズ・トレース・ガス・オービター」が火星の赤道付近で高レベルの水素を検出した。科学者らは、この地域の氷が塵や火山灰に埋もれていれば長期間溶けずに保存され、現在も存在する可能性があると考えている。
科学者らは、この氷が極地方ではなく赤道でどのように形成されたかに注目している。以前の研究では、火山活動が大量の水蒸気を放出し、氷形成の原因になった可能性が指摘されていた。
アリゾナ州立大学の惑星科学者、サイラ・ハミド博士(Saira Hamid)率いる研究チームは、火星の気候をコンピュータモデルでシミュレーションし、約41億年前から30億年前の間に火星で発生した爆発的な火山噴火を再現した。
モデリング結果によると、火山噴火は大気上層に水蒸気を放出し、この水蒸気が冷たい火星大気で凍結して氷の形で落下した可能性が示唆されたという。研究チームは、3日間続いたたった1回の噴火だけで周辺地域に最大5m厚の氷堆積物を形成できると推定した。
ハミド博士は「数百万年にわたってこのような噴火が繰り返されたら、どれだけの氷が積もったか想像してほしい」と述べ、「爆発的な火山活動は低緯度地域に繰り返し氷と火山灰を降らせ、今日の赤道付近で観測される水素信号を説明できる氷層を形成したはずだ」と説明した。

しかし、彼は火星で検出された水素が氷ではなく、様々な鉱物に由来している可能性もあると指摘した。また「今後、火星の赤道地域で火山灰に覆われた氷の痕跡を探す研究が行われれば、氷の存在可能性を裏付けるか反証できるだろう」と付け加えた。
もし火星の赤道に実際に氷のポケットが存在するなら、これは将来の有人探査にとって貴重な資源になる可能性があると彼は強調した。ハミド博士は「我々の研究は、火山地域が人間による探査の優先目標になり得ることを示唆している」と述べた。
また研究チームは、火山噴火が火星大気に硫酸を放出した可能性も指摘した。これにより太陽光を反射するエアロゾルが生成され、火星の気温を低下させ、惑星全体が氷河期に突入し、その結果、氷が長期間蓄積されたという分析だ。
ハミド博士は「これらの地域は一時的ではあるが、生命体が存在できた潜在的な環境だったかもしれない」と述べ、「このような氷・火山灰堆積物がどこで、どのように形成されたかを理解することは、火星での過去の生命痕跡を探す上で重要な手がかりになるだろう」と説明した。















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