
中国では衛生トラブルが相次ぐなか、今度は「ゴキブリ入りパン」をめぐる騒動が発生した。
26日付の「洪城新聞」によると、中国・江蘇省南通市の消費者A氏が、ゴキブリが生きたまま入ったパンの袋を撮影した動画をSNSに投稿した。
動画には、透明なビニール包装の中でゴキブリが生きて動いている様子が映っており、消費者が窒素充填された袋を押すと中のゴキブリが動く様子も確認できる。

A氏は27日、Sina.comの取材に対し「22日にオンラインでパン1箱を購入し、24日に受け取った。1~2袋を食べた後、別の袋を開けたところ、中で生きたゴキブリが動いていた」と語った。
さらに「最初はあまりの衝撃に凍りついたが、冷静さを取り戻してから証拠として写真と動画を撮影した」と説明した。
問題のパンは、ナツメやクルミを使用した製品で知られる人気スナックブランド「百草味(バイチャオウェイ)」が2025年9月26日に製造したものだった。
A氏はすぐにカスタマーセンターへ連絡したが、製造元は「返品時に購入金額の半額を返金する」と案内しただけだった。
これに不満を抱いたA氏が1,000元(約2万円)の補償を求めると、メーカー側は「まず返品してから確認する」と対応した。
翌日、メーカーは「同製品を検査したが、同様の問題は確認されなかった」と回答し、A氏はこれに納得せず、自身が撮影した動画をSNSに投稿し、大きな反響を呼んだ。
A氏は「何が問題なのか理解していないようだった。誠意ある謝罪もなく、消費者を軽視している」と憤りを示した。

騒動を受け、メーカーは「過去数年間、ゴキブリを見たことも通報を受けたこともない。工場は標準手順に基づいて運営され、専門業者による害虫管理を受けている。問題の生産ラインは工場3階にあり、害虫が上がってくることはほとんどない」と釈明した。
また、「監視カメラの映像を確認したが異常は見られなかった」と付け加えた。
その一方で、A氏に対し2,000元(約4万円)の補償金を提示して動画の削除を求めたが、A氏は拒否し、「個人的な和解を条件に削除を求めるメーカーの要求は受け入れられない」と述べた。
A氏は「当初から、1,000元の補償と品質問題に対する正式な謝罪文の掲載を求めている。この2点が履行されれば、商品の回収に協力する」と強調した。

投稿後、SNSユーザーから「証拠を保管するように」と助言され、A氏がパンの箱を確認したところ、すでにゴキブリは袋を破って逃げ出していたという。
ただし「写真と動画はしっかり残っており、むしろ生きていた証拠になる」と主張している。
メーカー側は「消費者から製品が返送され次第、原因調査と後続の対応に入る」とコメントした。
なお、中国では近年、食品衛生をめぐる問題が後を絶たない。
最近では、遼寧省葫芦島市の漬け白菜工場で、作業員がたばこをくわえたまま作業したり、床に唾を吐きかけて足でこすりつける様子が撮影され、当局が調査を開始した。
当局は、問題の製品をすべて押収し廃棄する方針を明らかにしている。














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