超大型ハリケーン「メリッサ」の中心部に突入し、内部の様子を撮影した映像が公開されたと科学専門メディア「ライブサイエンス」など複数の海外メディアが、29日(現地時間)に報じた。
公開された映像は「ハリケーン・ハンター」と呼ばれる米空軍予備役第53気象偵察飛行隊が、27日にハリケーン・メリッサの中心部へ進入して撮影したものだという。

映像の中では、巨大な渦を巻く雲の壁に囲まれた空間が広がり、異様なまでに静まり返った幻想的な雰囲気が漂っている。雲の壁が外側に向かって傾斜し、まるで円形競技場のように見える「スタジアム効果」も確認できる。

欧州宇宙機関(ESA)のSentinel-2衛星が撮影した別の画像でも、ハリケーンの威力が絶頂に達した時のハリケーンの目が真上から鮮明に捉えられている。
27日に5等級に格上げされたハリケーン・メリッサの規模はあまりに強力で、熟練したハリケーン・ハンターたちでさえ当初の飛行計画を切り上げ、早期に帰還を余儀なくされたという。
実際、27日と28日に行われた飛行ではいずれも激しい乱気流に遭遇し、予定より早く撤収したと伝えられている。

調査飛行に搭乗したマイアミ大学の気象学者アンディ・ヘイゼルトン氏は「5等級のハリケーンに初めて遭遇し、これまでで最も過酷な体験をした」と語った。
直径約16キロメートルに達するハリケーン・メリッサは、大西洋地域で上陸したハリケーンの中でも最強クラスの一つとされている。
28日にジャマイカに上陸した際の最大風速は約290km/h、突風は340km/hに達した。これにより、ジャマイカ全土が甚大な被害を受け、数十人が死亡、数万人が避難生活を送っている。被害を受けた住民は約150万人に上ると推定される。
AP通信やCNNによると、29日時点でキューバ、ハイチ、ジャマイカなどカリブ海諸国を直撃したハリケーン・メリッサにより、少なくとも数十人が死亡または行方不明になっているという。現在、メリッサは勢力を2等級に落としつつキューバを通過中で、この後バハマ方面へ進む見通しである。
 
            


















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