
米国のSNSインフルエンサーが、ホームレスに約45センチのナイフと酒を配る動画を投稿し、波紋を広げている。本人は「再生回数のためなら何でもする」と語り、来年1月にニューヨークを訪れる計画まで明かしたという。
キース・カスティーヨ(29)が先月28日に投稿したこの動画は1,400万回以上再生され、オンライン上で大きな論争を呼んでいると、米紙「ニューヨーク・ポスト」が29日(現地時間)に報じた。
「povwolfy」の名前で活動するカスティーヨは、テキサス州オースティンやルイジアナ州ニューオーリンズで、ホームレスに梱包された18インチ(約45センチ)のナイフを手渡していた。
「これ一つどうですか?」というカスティーヨの問いかけに、あるホームレスは「もちろん」と応じてナイフを受け取った。別のホームレスは「もう一つくれ」と求める場面もあった。動画には「ホームレスを路上にとどめておくために」という字幕が付けられていた。カスティーヨは、オンラインショップで1本約5ドル(約800円)で大量購入したステンレス製のナイフを配布していたと明らかにした。
カスティーヨは、先月20日の投稿で「ホームレスを安全に守るため」として7本のナイフを配布し、22日にはニューオーリンズの路地裏で包装を外したナイフ4本とウォッカを一緒に渡していた。彼は10月から米国各地を回り、同様の行為を続けていると説明した。現在はアーカンソー州リトルロックに滞在しており、「ホームレスに酒とナイフを配っている」と述べている。「今、私の車にはナイフが30本ほどある。本当に安いんだ」と笑いながら語り、「一つの都市で動画を大量に撮影した後、自分の身の安全のため別の都市に移り、また2週間ほど同じことをして次へ移動する」と話した。
これまでにカスティーヨは、オースティン、ニューオーリンズ、リトルロックでホームレスにナイフを配ってきたといい、今後はさらに大きな都市を目指す考えを示した。近くラスベガスやロサンゼルスのホームレスが多く集まる地域を訪れる予定で、来年1月にはニューヨークを訪れ、ナイフとアルコール度数66度のウイスキー「ファイアボール」を配布する計画だと語った。
また、ナイフを配る行為について警察に問い合わせた結果「違法ではない」との回答を得たと主張した。ホームレスがこのナイフを自分や他者を傷つける目的で使うとは思っていないとも述べた。「これは単なる道具で、人々が懸念するような形で使われる意図はまったくない」と強調した。
アルコール依存症のリスクがあるホームレスに酒を配ることについても「良心の呵責は感じない」と述べた。「正直、まったく気にしていない。再生回数のためにやっているだけだ。生きていくためには必要なことだ」と語った。
この行為にはオンライン上で激しい批判が相次いでいる。あるユーザーは「ホームレスを安全にするどころか、むしろ危険にさらす行為だ」と非難した。
法律の専門家からも懸念の声が上がっている。ジョン・ジェイ刑事司法大学のジョセフ・ジャカローネ教授は「酒とナイフの組み合わせは災いを招く」と指摘し、「これ以上の愚行があるだろうか」と批判した。ただし「ナイフを所持すること自体は違法ではない」とも付け加えた。













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