
ウゴービをはじめとする体重管理薬が、男性の生殖機能にも良い影響を与える可能性があるとする研究結果が発表された。
英デイリー・メールによると、イギリスのウォーリック医科大学とユニバーシティ・ホスピタルズ・コベントリー・アンド・ウォリックシャーの共同研究チームは、GLP-1受容体作動薬に分類される肥満治療薬が、肥満男性の生殖機能に与える影響について、既存の研究を総合的に検討した。その結果、これらの薬は性機能に関する目立った副作用を伴わず、精子の質やホルモン指標を改善する可能性が示された。
肥満は以前から、男性不妊の主なリスク要因の一つとされてきた。体脂肪が過剰に蓄積するとホルモンバランスが乱れ、精子が作られる過程にも悪影響を及ぼすためだ。その結果、精子の形態異常や運動率の低下が起き、妊娠の可能性が下がることがある。男性の約14人に1人が不妊を経験するとされ、今回の研究にも関心が集まっている。
研究チームが検討した資料では、体重管理薬による一定の改善効果が確認された。ウゴービの成分であるセマグルチドを24週間使用した研究では、ホルモンバランスを保ちながら、精子の形態が改善する傾向が見られた。
また、サクセンダの主成分であるリラグルチドは、肥満によって低下していた男性ホルモン、テストステロンの値を、約4か月で正常範囲へ戻す一助となった可能性がある。全体的な健康状態も、従来のテストステロン補充療法を受けたグループより良好だったという。
研究チームは、今回の結果が、近年オンライン上で広がるテストステロン補充療法(TRT)の過剰使用に対する一つの代替策になり得るとみている。筋肉量の増加や性機能の改善を目的に、必要以上のホルモンを投与すると、体が本来持つホルモン調節の仕組みが乱れ、かえって精巣機能が低下する可能性があるためだ。重い場合には、生殖能力に影響を及ぼすおそれもあると指摘されている。
研究を主導したプラティバ・ナテシュ氏は「男性ホルモン値が低いという理由だけで、すぐにホルモン治療を選ぶのではなく、肥満や代謝異常といった根本的な原因にまず向き合うべきだ」と説明した。
その上で「体重管理に成功すれば、体が自然にホルモンバランスを回復し、生殖機能の維持にも役立つ可能性がある」と話している。
ただし、今回の研究は既存研究を検討したもので、GLP-1受容体作動薬が男性不妊の治療薬として確立されたわけではない。研究チームは、効果や安全性をより正確に確認するには、さらに大規模で質の高い研究が必要だとしている。













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