他人の家の前に「迷惑ベンツ」、腹いせに鍵で傷だらけに…ベトナムで60代女性を起訴

ベトナムで、自宅の門をふさぐように迷惑駐車されたベンツに腹を立てた60代女性が、鍵で車体を傷つけたとして起訴された。女性は犯行を認めて謝罪したものの、車の所有者が一般的な被害額を大きく上回る示談金を要求しており、対立が続いている。
ベトナムメディアのVNExpressは2日、ハノイに住む元公務員のマイ・ティ・ビック・ヴァン被告(65)が、自宅前に駐車されていたベンツを鍵で15回傷つけたとして、器物損壊の罪で起訴されたと報じた。
事件は1月18日夜に始まった。ある女性がヴァン被告の自宅の門の前に黒いベンツを止めた。駐車禁止区域ではなかったものの、出入り口を完全に塞いでしまったことが発端だった。
約1時間後の20時20分ごろ、ヴァン被告は娘がバイクで外出できるよう門を開けた。しかし、出入り口の両脇には鉢植えが置かれ、さらにベンツが道を塞いでいたため、バイクが通れるだけのスペースはなかった。
怒りを爆発させたヴァン被告は、手にしていた鍵でベンツの前方ドアを3回引っかき、さらに折りたたまれていた左のサイドミラーを外側へ無理に曲げた。
そばにいた娘もヘルメットで運転席の窓を強くたたいた。
現場を目撃した近隣のドライバーが「他人の物を壊してはいけない」と制止したが、母娘の怒りは収まらなかった。
その後も母娘は大声を上げ続け、ヴァン被告は車体の各所を鍵でさらに12回も傷つけた。
車の所有者と連絡を取る手段が見つからず、娘は父親に鉢植えを動かしてもらい、ようやくバイクを道路へ出した。
その後、家族は所有者が戻ってきても車を動かせないよう、ベンツの前後に鉢植え2個を寄せて置いた。ヴァン被告の夫は「他人の門の前に駐車するのは配慮のない行為だ。交通法規と道路マナーを学び直せ」と書いたメモを車の前後の窓ガラスに貼り付けた。
同日21時20分ごろ、車に戻った所有者は、無理やり曲げられたサイドミラーや塗装が剥がれるほどの傷、そしてメモを見つけ、すぐに警察へ被害届を出した。
捜査に着手したハノイ警察はヴァン被告の逮捕を求めたが、検察はこれを認めず、住居からの離脱を制限する措置にとどめた。車の損傷に直接関与していなかった娘は刑事責任を免れたものの、先月、75万ドン(約4,633円)の罰金を科された。
取り調べでヴァン被告は、鍵で車を傷つけた事実をすべて認めた。所有者に謝罪したうえで、損傷箇所を弁償する意思も示した。当局が算定した被害額は680万ドン(約4万2,000円)だった。
しかし、所有者は通常の補償を拒否し、ヴァン被告に対して損傷した車両を買い取るか、2億ドン(約123万5,600円)を支払うよう求めた。メーカーが提示した修理見積額1億2,760万ドン(約78万8,300円)に、タクシー代520万ドン(約3万2,100円)と、修理期間中のレンタカー代月額3,500万ドン(約21万6,200円)を合算した金額だという。
ヴァン被告は、そのような大金を支払う余裕はないとして難色を示している。
有罪が確定した場合、ヴァン被告には300万~500万ドン(約1万8,500~3万900円)の行政罰金、または懲役刑が科される可能性がある。最終的な量刑は、正確な被害額や事件を巡る諸事情を総合的に判断して決定される見通しだ。













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