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【オートパイロット死亡事故】テスラ初の陪審裁判が開始、被害者は歩行者…全米注目の訴訟に

荒巻俊 アクセス  

引用:ニューシス
引用:ニューシス

テスラの運転支援システム「オートパイロット」に関与する死亡事故を巡り、同社の責任を問う初の連邦陪審員裁判が、米フロリダ州マイアミで14日(現地時間)に始まった。

この裁判は2019年、フロリダ州キーラーゴで発生した交通事故で、原告はテスラに対して損害賠償を求めている。オートパイロットが関係した死亡事故としては、初めて陪審員の判断を仰ぐことになる重要なケースだ。

事故が起きたのは2019年4月25日の夜。当時、投資会社の幹部だったジョージ・マッギーが、オートパイロットを作動させたままモデルSで帰宅中に発生した。

マッギーは通話中に携帯電話を落とし、それを拾おうとして前方から目を離した。その間に車両はT字路を直進し、路肩に停車していたSUVと、その隣に立っていた20歳の女性ナイベル・ベナビデス・レオンに衝突した。

レオンはその場で死亡し、同伴していた交際相手のディラン・アングーロも重傷を負った。これを受けて、遺族とアングーロは昨年、テスラを相手取って連邦裁判所に訴えを起こした。

原告側は、オートパイロットが事故直前に道路の終端や停止車両、歩行者を検知していたにもかかわらず、ブレーキをかけたり警告を発したりしなかった点を問題視。設計上の欠陥や警告機能の不備があったとして、テスラに責任があると主張している。また、オートパイロットが高速道路以外の一般道でも使用可能であることも争点の一つとされる。

一方でテスラは、事故の主因はオートパイロットではなく、マッギーの運転ミスにあると反論している。

同社は声明で「今回の事故はオートパイロットとは無関係であり、携帯電話を拾おうとして前方確認を怠った運転手による過失だ」と主張。車両のデータによると、マッギーは制限速度である時速45マイル(約72キロ)を大きく超える時速60マイル(約97キロ)以上で走行し、加速ペダルを踏んで自動減速機能も無効化していたという。

さらに原告側は、イーロン・マスクCEOの過去の発言も争点にする方針を示している。マスクはこれまで「テスラ車は人間よりも安全だ」「スーパーヒューマンセンサーを備えている」などと語っており、これらが消費者の過信を招いたと主張している。

今回の事故では、車内の乗員ではなく歩行者が死亡しており、もしテスラ側に法的責任が認められた場合、同様の事故に対する影響も広がるとみられている。

担当の連邦判事は「テスラが利益を優先し、人命を軽視していたと陪審員が判断する可能性がある」として、懲罰的損害賠償の請求も認めている。裁判は今後3週間ほど続く見通しだ。

荒巻俊
aramakis@kangnamtimesjp.com

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