
21日、京都市で全国高等学校駅伝が開催された。鳥取県代表の鳥取城北高校では、7区を務めた大澤康介選手がゴールを通過した瞬間、陸上部員たちが一斉に駆け寄り、抱き合って喜びを分かち合った。
駅伝は、複数の選手が区間をリレーし、全体でマラソンのフルコースにあたる42.195キロをつなぐ競技である。鳥取城北高校は2時間2分11秒でフィニッシュし、出場58チーム中4位に入った。これは、創立以来の最高成績であった2023年大会の30位を大きく更新する快挙を成し遂げたことになる。
この鳥取城北高校の陸上部と監督は、最近、日本陸上界を揺るがした「集団転校」騒動でも注目を集めている。2006年から福岡の陸上名門・大牟田高校を率いてきた赤池健監督(52)が、今年4月に鳥取城北高校へ移ったことが発端であった。
赤池監督は2年前に体罰問題を起こしており、その後任として大牟田高校が新監督を迎えることになった。これを受け、大牟田高校陸上部の1、2年生19人のうち18人が「監督についていく」として転校願を提出し、大きな波紋を広げたことが判明している。
転校した選手の一人、宗像琢磨選手は「練習は厳しいが、誰一人として見捨てない先生と一緒に陸上を続けたいという思いから、皆で転校を決めた」と言及した。
両校は直線距離でも550キロ以上離れており、新幹線を利用しても移動には約4時間を要する。転校後は規定により6か月間、公式大会への出場が認められないというペナルティがあるが、選手たちはそれを承知の上での決断であったということだ。
一方で、転校後に後悔の念を抱いた生徒もいたとされる。既存部員と転校生の間には当初「見えない壁」があり、練習環境も以前に比べて必ずしも恵まれていなかったためである。
赤池監督は、既存部員と転校生の双方からそれぞれ主将を選び、意思疎通を図るための窓口とした。さらに、室内トラックの代わりに砂丘を走らせる「地獄のトレーニング」も敢行した。
既存メンバーの主将を務める早田慶弥選手は「転校生に負けないよう、必死で練習した」と振り返る。赤池監督も「紆余曲折を経て一つになり、最後まで走り切った教え子たちに感謝している」と言及した。














コメント0