
科学者たちは、太陽のような恒星が宇宙に無数に存在する限り、太陽系外の惑星にも地球のような知的生命体が存在すると予測してきた。しかし、数十年にわたり太陽系外の知的生命体からの電波信号が捉えられることはなかった。これは信号自体が存在しないからではなく、恒星風など星の周囲の環境が信号を歪め、既存の探知装置では捉えられなかった可能性があるとする研究結果が示された。
非営利団体SETI研究所のヴィシャル・ガジャール氏の研究チームは、太陽系外の惑星系を取り巻く星間物質が、探査の核心対象である「狭帯域電波信号」を有意に歪めるという理論モデルを構築。付近の100万個の恒星を対象にしたシミュレーション結果を5日(現地時間)に発表した。研究は国際学術誌「アストロフィジカルジャーナル」に掲載されたとのことだ。
太陽系外文明の信号は、主に電波望遠鏡を通じて1Hz未満の狭帯域信号から探索される。こうした信号はエネルギー効率が高く、自然現象と区別しやすいため、技術的痕跡を指す「テクノシグニチャー」として適していると考えられている。既存の探知アルゴリズムは、信号が極めて狭いスペクトル幅を維持することを前提に設計されてきた。恒星風やコロナ質量放出(CME)などの恒星活動が信号幅に与える影響を太陽系外に拡張して分析したのは、今回が初めてであるという。
研究チームは、恒星風の速度や乱流強度などを変数とした理論モデルを確立し、100万個の恒星を対象にシミュレーションを実施した。その結果、1GHzでの観測基準において、対象恒星系の70%以上で信号幅が1Hzを超え、30%以上では10Hzを超えたことが判明した。さらに、M型矮星(赤色矮星)は恒星活動が活発なため、信号の広幅化(スペクトルが広がること)の影響が特に大きかった。
CME(コロナ質量放出)と信号が交差した場合、ほぼ例外なく1,000Hz以上の追加広幅化が発生する。これは既存の探知装置が想定する1Hz前後の範囲を大きく逸脱しており、信号が地球に到達する前に、すでに探知不可能な形に変質している可能性を意味している。
研究チームは、この結果が数十年にわたり信号を検出できなかった「大いなる沈黙(Great Silence)」現象を部分的に説明すると考えている。狭帯域信号が星間物質を通過すると、エネルギーが分散して最大強度が大きく低下するためだ。1Hzの信号が10Hzに広がった場合、最大強度は元の6%程度にまで落ち込み、既存のプログラムではフィルタリングできなくなる。
ガジャール氏は「我々が探している信号の形と、実際に地球に到達する信号の形が異なる可能性があると認めることが、探査の出発点だ」と語った。今回の知見は、今後の太陽系外知的生命体探査におけるアルゴリズムの改善に寄与することが期待されている。













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