
中国の大学で、AIスマートグラスを使った試験不正が広がり、波紋を呼んでいる。見た目では一般の眼鏡と区別しにくいうえ、リアルタイムで解答を確認できるため、従来の試験制度を揺るがしかねないとの懸念が強まった。
4日、IT専門の非営利メディアRest of Worldによると、中国の一部の大学生はスマートグラスをAIと連動させ、試験問題をその場で解析し、解答を受け取る手口を繰り返しているという。
この機器は本来、道案内や翻訳、撮影、価格比較などに使うウェアラブル端末だ。しかし試験の場では、カメラで問題用紙を撮影すると解析結果がグラスのディスプレーに表示される仕組みが悪用される。装着者は視線を大きく動かさずに答えを確かめられるため、試験監督の目も逃れやすい。
性能の高さも確認された。香港科技大学の研究チームがAIモデルを搭載したスマートグラスで行った実験では、装着者の平均点は92.5点だった。全体平均の72点を大きく上回っており、機器の使用が成績を直接左右し得ることを示した。
中国当局は大学入試や公務員試験でスマートグラスの使用を禁じている。ただ、一般の眼鏡と外見上の差がほとんどないため、試験会場で見抜くのは難しいとの指摘がある。
需要の増加に伴い、関連するレンタル市場も急速に広がった。スマートグラスの貸出料金は1日6~12ドル(約960~1,910円)とされる。一部業者は、ここ数か月で1,000人以上に機器を貸し出したと主張した。指輪型の小型コントローラーで機能を密かに操作する手法も使われているという。
似た事例は海外でも相次いだ。2024年には早稲田大学の入試で、カメラと通信機能を備えたスマートグラスを使った不正が発覚した。受験生は試験問題を撮影してスマートフォンに送り、SNSを通じて知人に解答を求めていたことが分かった。
さらに昨年は、スマートグラスと小型マイクを使った組織的なTOEIC不正受験事件も明るみに出た。数百人分の成績が無効になるなど、技術を悪用した不正の広がりに警戒が高まっている。













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