
米国で所得の増加を背景に、「上位中産層(アッパー・ミドルクラス)」に属する世帯の割合が過去最多水準に達したことが分かった。中産階級が崩壊しつつあるとの見方とは異なり、相当数の世帯が所得の絶対額を向上させ、より高い所得層へ移行している実態が浮かび上がっている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が5日(日本時間)に報じたところによると、米保守系シンクタンクのアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)が1月に公表した報告書『上位中産層の急増に伴う中産層の縮小』で、こうした分析結果が示された。
AEIは米国の世帯を所得水準に応じて、富裕層、上位中産層、中核中産層、下位中産層、貧困層・近接貧困層の5つの層に分類した。このうち、貧困世帯の5〜15倍の所得がある世帯を上位中産層としている。2024年の3人世帯の場合、年収13万3,000〜40万ドル(約2,050万〜6,180万円)に当たる上位中産層の割合は、1979年の10.4%から2024年には31.1%へと約3倍に拡大した。同じ期間に、富裕層世帯の割合も0.3%から3.7%へ上昇した。
一方で、中核中産層世帯の割合は35.5%から30.8%へ低下した。下位中産層は24.1%から15.8%へ、貧困層は29.7%から18.7%へ、それぞれ縮小した。
AEIは特に、米国史上初めて、中核中産層より所得の高い世帯の割合(34.8%)が、それより所得の低い世帯の割合(34.5%)を上回ったと指摘している。さらに、上位中産層と富裕層を合わせた所得シェアも、同じ期間に28%から68%へと大きく上昇した。AEIは、「中産階級の崩壊」との主張は、中産階級を相対的な概念として定義していることに起因すると分析。その上で、たとえ格差が存在していても、所得の増加を不安定性の拡大や生活水準の低下と誤って受け止めている可能性があると主張した。
研究チームは、賃金上昇率が物価上昇率を上回る中、上位所得層に入る人が増えているとした上で、特に大卒の事務職労働者でこうした傾向が鮮明だと説明した。WSJは4日、こうした所得の上方移動の背景として、高学歴の専門職に対する需要の増加や、共働き世帯による所得合算の効果などを挙げた。













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