
近隣住民とのトラブルの末、1日10時間にわたって「怪談」を流し続けるという執拗な嫌がらせに及んだ中国の男が、インターネット上で物議を醸している。騒音レベルが法的基準値を超えないよう巧妙に制御されていたことが明らかになり、その悪質性に批判と困惑の声が広がっている。
3日(日本時間)の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、広東省広州市に居住する盧某被告と同居人の李某被告は、隣人の謝某氏との間に生じたトラブルを背景に、騒音を用いた報復行為を繰り返していた。トラブルの具体的な経緯については明らかにされていない。
被告らは連日、午前8時45分から正午まで、および午後3時30分から午後10時までの時間帯に、共用壁に設置したスピーカーから怪談の録音を繰り返し再生した。1日の再生時間は10時間を超え、その不気味な音声は壁を通じて近隣世帯に響き渡った。こうした行為がどの程度の期間継続されたのかは詳らかにされていないが、その執拗さは際立っている。
騒音被害は特定の隣人にとどまらず、周辺住民にも及んでいた。2階離れた部屋に住む崔某氏は、連日の騒音により大学入試を控えた子供の学習が妨げられるなど、被害は看過できない状況に達していたと訴えている。
しかし、騒音測定の結果、意外な事実が判明した。崔氏の室内で測定された数値は約36デシベルにとどまり、中国の法的基準である昼間60デシベル、夜間50デシベルを大幅に下回っていた。騒音が規制値を超えないよう計算されていたため、行政処分を下すことが困難な「法の網」を突いた形となっていた。
これを受け崔氏は、盧被告が悪意を持って私生活の平穏を害していると判断し、広州市海珠区人民法院に対し訴訟前差し止め命令を申請した。これは本訴訟の判決を待たず、回復困難な損害を回避するために下される緊急の法的措置である。
裁判所は崔氏の訴えを妥当と認め、盧被告に対し騒音の再生を即時中止するよう命じた。その後、裁判所関係者の立ち会いのもとでスピーカー機材の撤去と録音データの削除が行われ、盧被告は再発防止を誓約したという。
この事件はインターネット上でも大きな波紋を広げている。ユーザーからは「これほどの手間をかけて嫌がらせを続ける執念が恐ろしい」「自身らも怪談を聞き続ける苦痛はなかったのか」といった驚きの声が上がる一方、「法的基準を逆手に取る手法こそが最も悪質だ」との指摘も相次いでいる。













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