
富士山では公式登山期間外の閉山期にも毎年約1万人が登山していることが判明した。閉山期の無理な登山により、遭難や死亡事故も続発している。
1日に読売新聞が位置情報データを分析した結果、コロナ禍で移動が制限された2020年を除き、富士山閉山期の登山客は年間約8,000〜1万2,000人と推定される。特に登山シーズン直前の6月と閉山直後の9月に登山客が集中する傾向があることが明らかになった。
現在、富士山はおおむね7月初めから9月10日前後まで約70日間のみ公式に開放される。登山道は静岡側の富士宮、須走、御殿場ルートと山梨側の吉田ルートの4ルートある。
閉山期には登山道が閉鎖され、山小屋や救急施設、トイレなどもほとんど運営を停止する。気象変化が激しく積雪や凍結の危険も高まるため、地元自治体は入山自粛を強く呼びかけている。
2019年から2025年までの閉山期に発生した遭難事故は79件、死者は19人に上った。当局は、閉山期の入山そのものが救助活動を困難にし、事故リスクを高める要因と捉えている。ただ、閉山期の登山客増加のみを問題視するのではなく、現行の登山管理体制そのものも見直すべきだとする意見も出ている。
富士山では近年、オーバーツーリズムへの対応として、通行料の引き上げ、入山予約制、1日当たりの入山人数制限など、各種規制が導入されている。しかし、公式開放期間が年間約70日にとどまる中、登山需要が短期間に集中するという問題も指摘されている。
厳しい予約制度への不満から、天候の比較的安定した6月下旬や9月中旬を狙って閉山期に入山するケースもあるとされる。
登山の専門家の間では、一律の禁止だけでは問題の解決は難しいとする声も上がっている。閉山期の入山者を完全に阻止するのは現実的でなく、季節ごとの危険度に応じて開山期間を柔軟に延長すべきだという意見もある。時期に応じた事前申告制や装備義務化の導入を求める声もある。
一方、安全最優先を求める声も根強い。富士山は標高3,776mの高山で天候が急変しやすく、低体温症の危険も高い。救助隊のアクセスも容易ではないため、一般的な登山地と同様に扱うべきではないとの指摘もある。

















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