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中国国営企業が手掛けたビルが震源1000km離れた場所で崩壊…明らかになった”三重の人災”と絶滅危惧種を食べた会長の過去

有馬侑之介 アクセス  

■ 震源から1,000km離れているのに…バンコクで崩れ落ちた高層ビル

3月28日、ミャンマー・マンダレー西部でマグニチュード7.7の大地震が発生した。

震源から1,000km以上離れたタイ・バンコクでも数十秒にわたって強い揺れが観測され、高層ビルが揺れ、プールの水が溢れるなど、地震の影響が色濃く現れた。多数のビルに亀裂が入り、避難中の市民が負傷する被害も相次いだ。特派員の自宅にも複数のひび割れが生じ、壁の鏡が割れるほどの揺れだったという。

しかし、この日最も衝撃的だったのは、建設中だった30階建ての高層ビルがバンコク市内で突然崩壊したことだった。観光地としても知られるチャトチャック市場の向かいに建設中だったこの建物は、わずか数秒で無残に崩れ去った。崩壊直前には建物が揺れ、クレーンが倒れる様子が撮影されており、その場にいた市民や労働者は慌てて逃げるしかなかった。

引用:KBS
引用:KBS

当日、現場では救助活動が続けられ、約100人の作業員が瓦礫の下敷きになる惨事となった。タイ当局は50日間にわたる捜索を経て、92人の死亡、9人の負傷、4人の行方不明を確認した。

■ なぜこの建物だけが?相次ぐ手抜き工事の疑惑

崩壊したのは建設中だったタイの会計検査院ビル。2020年に着工され、中国国営企業の傘下にある「中国鉄路第十局(CREC)」のタイ法人と、タイの大手建設会社「イタリアン・タイ・デベロップメント(ITD)」の共同事業として進められていた。契約額は21億4,000万バーツ(約936億円)に上る。

この建物のみが崩壊した理由について、現地では長らく疑問が渦巻いていた。地盤の脆弱性や都市計画の不備が指摘される中、新築の建物が骨組みの完成を目前にして崩れた背景には、施工不良があったとの見方が強まっていた。事故直後、施工関係者が書類を持ち出そうとして摘発されたとの報道もあった。

引用:Khao Sod
引用:Khao Sod

■ 設計・施工・監理すべてに問題~タイ当局「構造的欠陥」

15日、タイ当局が発表した中間調査結果によると、直接の原因は地震だったものの、崩壊を引き起こした主因は建設過程における深刻な欠陥だった。

・エレベーターシャフトと建物の中心軸が偏って設置されており、揺れによって構造の弱い端部からひずみが生じ、建物全体が垂直に折れ曲がるように崩壊。

・コンクリートとセメントの強度が規格を満たしておらず、回収された鉄筋も設計仕様に合致していなかった。

・建築関連文書に記された技術者の署名が偽造されていた。

バンコク刑事裁判所は、設計会社6人、施工会社6人、監理会社5人の計17人に対し、業務上過失致死の容疑で逮捕状を発付した。設計から監理に至るまで、全体として「杜撰工事」であったことが明らかとなった。

引用:Khao Sod
引用:Khao Sod

■ 車椅子で出頭した施工責任者~その過去とは

逮捕状が出された中には、施工を担っていた「イタリアン・タイ・デベロップメント」会長のプレムチャイ・カーナスータ氏(71)の名もあった。同社は30以上の系列会社を持つ大手財閥グループで、スワンナプーム国際空港の建設にも関与している。

プレムチャイ氏は、2018年にタイのユネスコ世界遺産「トゥンヤイ・ナレスワン国立公園」で違法狩猟を行い、絶滅危惧種のクロヒョウを射殺し、調理して食した罪で3年2カ月の実刑判決を受け、2021年に出所した過去がある。

そのような人物が釈放後に経営に復帰し、国家機関の重要施設である会計検査院の施工を担当していたことは、社会に大きな波紋を呼んでいる。

現在もタイ当局の調査は続いており、表向きは入札による受注とされているものの、背後に新たな汚職が潜んでいる可能性も否定できない。

なお、この崩壊で犠牲になった多くがミャンマーからの出稼ぎ労働者だった。家族を養うために国境を越えてタイで働いていた彼らは、一瞬にして命を落とした。

引用:バンコク・ポスト^@@^

■ ビル崩壊と大地震~悲劇重なるミャンマー

ミャンマーでは2021年に軍事クーデターが発生し、民主化の歩みが断たれて以降、内戦状態が続いている。軍の弾圧により6,000人以上が命を落とし、反軍勢力との衝突も激化している。

そうした中、今回の大地震が「100年に一度の規模」とされる被害をもたらした。軍政側の発表では死者は3,800人を超えたが、国際機関は1万人を上回る可能性を示している。

さらに、軍政は震災救援を理由に一時休戦を発表したものの、実際には反政府勢力の支配地域に対し370回以上の空爆を行い、300人以上が新たに命を落とすなど、暴力と混乱が続いている。

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