イスラエル、レバノンで大規模空爆…米・イランの終戦実務協議に影響

イスラエルが米国とイランの終戦合意直後にもレバノンに大規模な空爆を実施したため、終戦合意の了解覚書(MOU)の履行に向けた後続の実務協議が開始早々につまずいている。
ロイター通信などによると、レバノン保健省は19日(現地時間)、イスラエルがレバノン南部の各地で、親イラン武装組織ヒズボラの戦闘員や関連施設を標的に大規模な空爆を実施し、少なくとも18人が死亡、33人が負傷したと発表したという。今回の空爆は、イランと米国が戦争終結に向けた了解覚書(MOU)に署名してから2日後に行われた。
イスラエルはこれに先立ち、前夜から夜通しにわたり、レバノン南部ナバティエの人口密集地を狙った大規模空爆を実施した。イスラエル軍も、ヒズボラによる「度重なる」停戦違反への対応として、レバノン南部のヒズボラ関連施設を攻撃したと認めた。
これを受け、同日スイスで開催される予定だった米国とイランの初の実務協議は中止となった。J・D・ヴァンス米副大統領がスイス行きを突然取りやめた背景にも、イスラエルによるレバノン空爆があるとの見方が出ている。
米ホワイトハウスは、副大統領の日程が延期された公式な理由として「物流面および実務上の問題」を挙げたが、イラン交渉団がイスラエルによるレバノン攻撃を問題視した可能性が指摘されている。米インターネットメディアのアクシオスによると、米政府高官は「テヘラン(イラン)が、イスラエルはレバノンで停戦合意に違反したと主張したことが、会談が開かれなかった理由である可能性がある」と語った。
米国とイランは合意文書に、イスラエルとヒズボラの戦線を含むすべての戦線で戦闘を終結させる内容を盛り込んだ。しかし、イスラエルは両国が60日間の停戦延長に合意した後も、ヒズボラへの攻撃を停止しない姿勢を示してきた。
CNNによると、今回の空爆は、ヴァンス副大統領がドナルド・トランプ米大統領の合意を批判したイスラエル政府関係者を公然と批判してから数時間後に行われた。ヴァンス副大統領は、「彼ら(イスラエル内閣)に伝えたいことは二つある。第一に、トランプ大統領は現時点でイスラエルに友好的な唯一の首脳だ。第二に、私がイスラエル内閣の立場なら、世界で唯一残された同盟国を攻撃することはなかっただろう」と述べた。
さらに、「現在イスラエルを守っている防衛装備の3分の2は米国製であり、米国の納税者の税金で購入されたものだ」としたうえで、「イスラエルの問題はトランプ大統領ではない。米大統領を自分たちの最大の問題だと考えているイスラエル政府内の関係者らは、自国が置かれている現実を直視すべきだ」と批判した。
こうしたなか、スイス外務省は同日の声明で、スイスのビュルゲンシュトックで開催される予定だった米国とイランの会談が同日には開かれないと明らかにした。今後の会談日程については具体的に言及しなかった。トランプ政権も関連日程は未定だとしている。今回の協議は、両国が了解覚書に基づき、イランの核プログラムや制裁解除などを協議する初の実務協議だった。














コメント0