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2025年05月10日土曜日
ホームニュース「このままでは全部中国に奪われる」エヌビディアCEO、トランプ大統領の輸出規制に反旗、AI覇権に警鐘鳴らす

「このままでは全部中国に奪われる」エヌビディアCEO、トランプ大統領の輸出規制に反旗、AI覇権に警鐘鳴らす

引用:shutterstock
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米政府、エヌビディアの高性能チップの対中輸出を制限

「米半導体の輸出こそが、その技術を世界標準にする」

米国のAIチップ業界をリードするエヌビディアのジェンスン・フアンCEOが、中国におけるAIチップ需要の爆発的な成長を予測しつつ、自社チップの対中輸出を禁止した米政府の政策に不満を表明した。

フアンCEOは6日(現地時間)、ロサンゼルスで開催された「ミルケン・カンファレンス2025」で、「経済的理由や国家安全保障上の理由で技術アクセスを制限する論理はあるが、これは相手国政府が自国のコンピューティング能力を活用する際に制限を受けないという点を見落としている」と指摘し、「彼らは既存のコンピューティングリソースを確保するだろう」と述べた。

さらに、「我々が特定市場から完全に撤退すれば、他社がその空白を埋めるだろう」とし、「例えば、ファーウェイは世界で最も手強い技術企業の一つであり、彼らがその位置を占める可能性が高い」と語った。

そのうえで、「米国標準をグローバル標準とし、AIが米国の技術基盤の上に構築されるようにすべきだ」と強調した。

また、「我々の対中輸出が制限されている間に、中国市場は数年後におそらく約500億ドル(約7兆2,060億2,308万2,333円)規模に成長するだろう。我々が失った市場は巨大だ」と述べ、「これは、我々が享受できるビジネスチャンスであり、この収益を米国に還流させれば、ドルで税収を得て、雇用を創出し、我々の技術をさらに発展させることができる」と強調した。

フアンCEOのこの発言は、自社のAIチップの対中輸出が事実上全面的に規制されている状況に対するもどかしさを表したものと見られる。

エヌビディアは最先端AIチップ市場の90%を占めているが、米国の輸出規制により中国への販売ができない状況だ。

トランプ政権は先月、高性能チップ「H100」より性能が劣る低スペックのH20チップなどについても対中輸出を制限した。

その後、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、「ファーウェイがエヌビディアのH100に匹敵する高性能AIチップを独自開発中」だと報じた。

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