
ウクライナが2回目の和平協議を翌日に控え、ロシア本土の空軍基地を空爆した「スパイダーウェブ」(蜘蛛の巣)作戦の結果が次々と明らかになっている。
米軍事専門メディア「The War Zone」などは4日(現地時間)、ロシア・ムルマンスク州のオレーニャ空軍基地の様子を捉えた衛星写真を公開した。
エアバス・ディフェンス・アンド・スペース社の人工衛星が撮影した画像によると、オレーニャ空軍基地にあったロシア軍の長距離戦略爆撃機ツポレフ(Tu)-95MSが骨組みだけ残った状態で大きく損傷している。

特にドローン攻撃を受けたTu-95MSには、ウクライナに向けて発射準備が整ったKh-101通常弾頭巡航ミサイルが搭載されていた。The War Zoneは「これはTu-95MS複数機がウクライナにとってどれほど大きな脅威であるかを示しており、ウクライナ軍にとって正当な攻撃対象であったことを裏付けている」と分析した。
ロシア軍のTu-95MSは、世界で唯一実戦配備されているターボプロップエンジン搭載の戦略爆撃機だ。最大航続距離は1万5,000kmに達し、核兵器や通常型巡航ミサイルを用いた長距離戦略爆撃、偵察、哨戒などの任務を遂行する。

Tu-95MSの1機当たりの価格は2,628万ドル(約38億円)とされる。軍事専門家らは、ウクライナの今回の作戦でロシア軍が失ったTu-95MSは最大3機に上る可能性があると分析している。これを金額に換算すると1,000億ウォン(約105億円)を優に超える。
今回の作戦を実行したウクライナ保安庁(SBU)は同日、Xにスパイダーウェブ作戦時に出撃したドローンが目標に向かって飛行し衝突する新たな映像も公開した。
「プーチン、ウクライナへの報復攻撃に言及」
ウクライナの「スパイダーウェブ」作戦が成功裏に終了した翌日の3日、「プーチンの威信」と呼ばれるクリミア橋で大規模な爆発が発生した。
SBUは「3日午前4時44分頃、クリミア橋(ケルチ橋)の水中橋脚の一つにTNT1,100kg級爆薬を仕掛けて起爆させる作戦を完遂した」と発表した。
クリミア橋は、ロシアが本土とクリミア半島を結ぶために数兆ウォンを投じて建設した欧州最長の橋梁だ。ロシア本土とクリミア半島を結ぶ重要な補給路として、ロシアにとって戦略的・経済的価値が極めて高い。
クリミア橋およびロシア本土とクリミア半島を結ぶクリミア橋は「プーチンの威信」と評されるほど、ロシアにとって実質的・象徴的に大きな意味を持つ。

相次ぐ攻撃を受け、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は報復を予告した。
ドナルド・トランプ米大統領は4日、プーチン大統領と電話会談した事実を明かし、「プーチン大統領は最近の(ウクライナによる)空軍基地攻撃に対応する必要があると非常に強い口調で述べた」と伝えた。
プーチン大統領はトランプ大統領との通話前の政府会議で、ウクライナによるロシア空軍基地攻撃事件に言及し、「ウクライナ政権が下した決定は明白だ」とした上で、「疑いなく和平交渉を妨害しようとする試みだ」と非難した。
トランプ大統領はSNSを通じて「(プーチン大統領と)良い会話をしたが、即時の和平につながる内容ではなかった」と述べ、事実上ウクライナ戦争の終結が遠いことを認めた。