
小さな胸を堂々と見せることで人気を博したカナダ人インフルエンサーが、最終的に豊胸手術を受けたことで、ファンから怒りの声が相次いでいる。
5月28日付の香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、ベトナム系カナダ人のクララ・ダオさん(27)は、2019年から自身の身体的特徴や自己啓発、ファッション、美容などをテーマにSNSでの情報発信を始めた。
平らな胸を持つ彼女は、「小さな胸でも自信を持てる」とのメッセージで多くの女性たちの共感を呼び、現在は420万人以上のフォロワーを抱える人気インフルエンサーとなっている。
ダオさんは、幼少期から自身の胸の小ささにコンプレックスを感じていたが、次第に「外見に関係なく、自分は愛されるに値する存在だ」と気づいたと語り、多くの女性に勇気を与えてきた。
SNSを通じて、「小さな胸も美しい」とする自己肯定感を促すメッセージを発信し、社会が押しつける美の基準に抗うよう女性たちを励ましてきた。
その結果、彼女はボディポジティビティ運動やフェミニズムの象徴的存在として注目を集め、ベトナムの女性誌でも紹介された。
しかし今年4月、ダオさんの胸元が以前よりはっきりとした曲線美を見せ始めたことで、ファンの間に動揺が広がった。
SNS上では「裏切られた気分だ」、「私たちを利用して豊胸手術の資金を稼いだのか」、「結局は小さな胸が嫌だったのか。偽善者だ」、「言っていることとやっていることが違う典型例だ」など、非難の声が殺到した。

これを受け、ダオさんは「変化の理由」と題した動画を公開し、「ここ数年、小さな胸をテーマにしたコンテンツを作ってきたが、昨年から新しい表現に挑戦したくなった」と説明した。
「今のままでも十分な収入があり、安定して活動を続けられることは分かっていたが、それでも新しいことにチャレンジしてみたかった」と心境を明かした。
続けて「小さな胸をテーマにした動画で大きな人気を得たからこそ、他のことをやろうとしてもファンはそのイメージだけを求めてしまう。自分でもそこに縛られていると感じていた」と語った。
また、「今回の変化が私のこれまでのキャリアを終わらせるかもしれないことは分かっているし、不快に思う人の気持ちも理解できる。それでも、私は変わりたいし、新しい人生を歩む自由があることを分かってほしい」と訴えた。
「何をしても批判は出る。だったら自分が本当にやりたいことをやる方がいい」としたうえで、「人生の各段階で人は成長し、変化し、望むものも変わっていく」とも語った。
しかし、こうした説明にもかかわらず世間の反応は冷ややかで、騒動の余波で彼女は多数のフォロワーやチャンネル登録者を失う結果となった。