
ブラジル南部で、観光客を乗せた熱気球が炎上し墜落するという痛ましい事故が発生した。21日午前8時ごろ(現地時間)、サンタカタリーナ州プライア・グランデ上空で、乗員21人を乗せた熱気球が突如出火し、8人が死亡、13人が負傷した。
事故当時、バスケット部分から火が出たのを確認した操縦士は、熱気球を急降下させ、地面に近づいた段階で乗客に飛び降りるよう指示を出した。しかし炎はさらに勢いを増し、気球は再び浮上したのち、上空から地上へ落下したとされている。
SNS上に拡散された動画には、空中で炎に包まれた熱気球が急速にしぼんでいく様子や、大きなバスケットが人を乗せたまま落下していく決定的瞬間が映し出されている。
現場に居合わせた目撃者たちは「火がついた瞬間に数人が飛び降りた」「炎から逃れられなかった人もいた」などと、現場の惨状を証言している。犠牲者の身元や詳細については、現在も当局が調査を続けている。
サンタカタリーナ州のジョルジーニョ・メロ知事は「多くの犠牲者を出したこの事故に深い悲しみを覚える」とコメントし、州として支援に全力を尽くすと表明した。
事故が起きたプライア・グランデは「ブラジルのカッパドキア」とも称される熱気球観光の名所で、多くの観光客が訪れる地域だった。今後、観光業への影響も避けられないとみられている。

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