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【米加貿易危機回避】トランプ政権の圧力に屈したカナダ、「デジタルサービス税」を撤回し米国と交渉再開へ!

荒巻俊 アクセス  

引用:depositphotos

カナダ政府が、国内外のIT企業に対して導入を予定していた「デジタルサービス税(DSTA)」の課税計画を撤回ことで、米国との貿易交渉が再開される見通しとなった。

CNBCやウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などの報道によると、29日(現地時間)、カナダ政府は米国との貿易交渉を再開するため、DSTAの課税開始を直前に取りやめたという。

カナダ政府の報道官によると、マーク・カーニー首相がドナルド・トランプ米大統領と電話会談を行い、7月21日までに両国が新たな貿易合意を目指して協議を進めることで一致したという。

報道官は「双方に利益のある包括的な貿易合意を期待している」として、今回のデジタル税撤回の理由を説明した。

米国とカナダは、6月16日から17日にかけてカナダ・アルバータ州で開かれた主要7カ国(G7)首脳会議の場で、30日以内に新たな貿易協定を締結することで合意していた。

しかし今月27日、トランプ大統領はカナダのデジタル税導入について「米国企業を狙い撃ちした非関税貿易障壁」だと強く反発し、すべての貿易交渉を中断すると通告していた。

同日午前に放送されたフォックス・ニュースのインタビューでも、トランプ大統領はデジタル税を批判していた。

カナダのDSTAは2019年、当時のジャスティン・トルドー首相の下で初めて検討され、昨年6月に法案が可決された。

対象はソーシャルメディア、デジタル広告、オンライン取引企業で、カナダ国内で約1,470万カナダドル(約15億5,228万600円)、全世界で8億2,000万カナダドル(約865億8,356万7,000円)以上の年間売上があるIT企業に対し、カナダで得た収益に3%の課税を行うという内容だった。

この税制は、デジタルサービスの提供やユーザーデータの販売を行う企業が対象となるため、米国の巨大IT企業や業界団体、連邦議会、政府関係者からはバイデン政権時代から一貫して反発が続いていた。

今月11日には、一部の米国議員がトランプ大統領宛てに書簡を送り、カナダにDSTAの撤廃を求めるよう圧力をかけてほしいと要請していた。

こうした米国の反対を受けながらも、フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ・カナダ経済担当相はDSTAの導入に強硬な姿勢を示していたが、最終的にトランプ大統領による貿易交渉中断の宣言を受け、カナダ側が歩み寄るかたちとなった。

DSTAの撤回を受け、カナダ米国商工会議所は「カーニー首相の決定を歓迎する」と声明を出している。

カナダにとって米国は最大の貿易相手国であり、輸出の約80%を占めている。昨年には対米貿易で633億カナダドル(約6兆6,824億4,080万円)の黒字を記録していた。

一方で、米国との貿易摩擦の影響により、カナダ経済は5月に前月比マイナス0.1%の成長にとどまったとされ、景気の減速が懸念されている。米国はカナダ産の鉄鋼やアルミ製品に対して50%の関税を課しており、カナダ側はその撤廃を求めてきた。

こうした中、カーニー首相は新たな貿易協議の合意に向け、米国との交渉に注力しており、今回の決定により約3週間の交渉期間が確保されたことになる。

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