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日本の自動車市場に「米中勢の総攻勢」スタート!テスラは“高嶺の花”脱却へ、BYDは“低価格戦略”で勝負…EV空白地帯の攻略なるか

有馬侑之介 アクセス  

引用:Motor1
引用:Motor1

米EV大手のテスラと中国の比亜迪(BYD)が、日本市場への本格展開を加速させている。テスラは2026年末までに国内の販売拠点を現在の23カ所から50カ所に倍増させ、最終的には100カ所体制を目指す。これまでオンライン中心だった戦略から一転し、日本ではリアル店舗での存在感を高める方向へ舵を切った。新たな店舗はすべて直営形式で、大型商業施設内への出店が想定されている。

テスラはまた、日本市場向けに高級車種の国内生産を中止し、より手頃なモデル3およびモデルYに注力する方針を打ち出した。ブランドの「高嶺の花」イメージを緩和し、一般層にも親しまれる存在へとシフトする戦略とみられる。さらに急速充電ステーションの拡充にも乗り出しており、現在約130カ所のネットワークを新規店舗の展開に合わせて増設していく。日本独自の充電規格「CHAdeMO」にも対応し、新車購入時にチャデモアダプターを提供することで、既存インフラとの親和性を高める構えだ。

背景にあるのは、米中欧といった主要市場での販売不振だ。テスラの今年4〜6月期の世界販売台数は38万4,122台にとどまり、前年同期比13%減。2四半期連続で2ケタ減少となった。特に欧州での落ち込みが深刻で、中国では現地勢の台頭もあり苦戦が続く。CEOイーロン・マスクの政治的発言に対する反発も販売低下に拍車をかけている。一方、日本市場では比較的堅調な動きが見られ、今年上半期の販売台数は前年比約70%増の4,600台前後に達したと推定されている。

テスラは2027年までに、現在輸入車販売1位のメルセデス・ベンツ(2024年販売実績:5万3,195台)を超えるという目標を掲げている。その一方で、BYDも日本でのプレゼンスを拡大中だ。6月時点で63カ所の販売拠点を展開し、2025年までに100カ所体制を築く計画を明らかにしている。現在、コンパクトEVを含む4モデルを日本市場に投入しており、今年4月に発売されたSUVタイプの「シーライオン7」は495万円からという価格で、テスラ「モデルY」よりもリーズナブルな設定となっている。

BYDはさらに、日本の軽自動車市場を視野に入れた独自EVの開発も進めており、2026年後半の投入が予定されている。日本の軽規格に合わせた専用プラットフォームの設計が進行中との情報もある。ただし、日本のEV市場全体は依然として鈍い動きを見せており、今年上半期のEV販売台数は2万7,321台と、前年同期比で7%減少。2年連続の減少となった。環境意識の浸透不足、インフラの整備遅れ、国産メーカーによるEV投入の遅れなど、複合的な要因が足を引っ張っている。

テスラとBYDは過去数年にわたり世界各地で激しい競争を繰り広げ、確かな技術力を積み上げてきた。EV市場は現在、一時的な調整局面にあるとはいえ、長期的には成長トレンドが続くと見られている。日本市場も例外ではなく、今後はEVへのシフトが避けられない。日本の自動車業界が米中勢の攻勢にどう応じるかによって、今後の勢力図が大きく変わる可能性がある。

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