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2025年07月23日水曜日
ホームニュース「交渉か、それとも脅迫か」関税で市場開放を迫る米国に、EUは“報復措置”を準備…合意に自信を見せる米国と、決裂も視野に入れるEUの温度差

「交渉か、それとも脅迫か」関税で市場開放を迫る米国に、EUは“報復措置”を準備…合意に自信を見せる米国と、決裂も視野に入れるEUの温度差

引用:ホワイトハウス
引用:ホワイトハウス

米国と欧州連合(EU)の貿易交渉が暗礁に乗り上げる中、EU側が「報復措置」を本格的に準備し始めた。8月1日の交渉期限を目前に控え、トランプ政権の強硬な通商政策に対抗する構えだ。

20日(現地時間)付の海外報道によれば、EUの外交当局者らは今週中にも緊急会合を開き、「ノーディール(交渉不成立)」の事態に備えた対抗措置を協議するという。

それでもEUは依然としてワシントンとの協議を継続し、来月の期限までに合意にこぎつけることを最優先課題としている。しかし、交渉関係者によれば、先週のワシントン会合後も「目立った進展はなく」、今後も約2週間の継続協議が必要とみられている。

焦点は、トランプ政権が推進する10%超の追加関税措置。航空機や一部の医療機器、ジェネリック医薬品、特定の酒類などを除くほぼすべてのEU製品が対象となる可能性がある。事実上、欧州産品に対する「大規模関税」といえる。

交渉ではさらに、鉄鋼やアルミニウムに対するクオータ制導入、過剰供給国を排除する形でのサプライチェーン保護策、一部業種への上限設定といった案も検討されている。

しかし仮にこれらの妥協案がまとまっても、最終的にはドナルド・トランプ大統領の決裁が必要不可欠だ。現時点でトランプ大統領の明確な意向は示されておらず、交渉の先行きは極めて不透明な状況が続いている。

一方、米商務省のハワード・ラトニック長官は「主要国は市場を米国に開放することが、高率関税を受けるよりも合理的だと判断するはず」と強調し、「我々は合意に到達できると確信している」と語った。同日午前にはEU交渉団とも電話で協議を行ったという。

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