脳卒中の夫の口座から約2,200万円を引き出した16歳年下の妻、裁判所の判決は?
中国・上海出身のワンさん(61)が16歳年下の妻に財産を奪われた事件が物議を醸している。
23日(現地時間)、香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の報道によると、ワンさんは20年以上前の離婚後、一人で娘を育ててきたという。

ワンさんは2016年、家族の強い反対を押し切り、16歳年下の女性レン・ファンと結婚した。ワンさんの親族は「上海で一人暮らしをしている年配男性は結婚市場で引く手数多だ」とし、「叔父は年金と財産が十分にあった」と説明した。このような状況下で、ワンさんの母親は、年齢差の大きいレンさんに裏の目的があるかもしれないと懸念していたという。
結婚式当日、脳卒中で倒れた夫、財産争いの幕開け
不運にもワンさんは結婚式当日、脳卒中で倒れ、直ちに病院に搬送された。彼の状態は次第に悪化し、左半身に麻痺が生じ、言葉も発せず、右手だけで意思疎通せざるを得なくなった。
結局、ワンさんの家族は彼を療養施設へ入所させ、妻のレンさんと前妻との間に生まれた娘が介護を担当することとなった。
事態が急転したのは2020年、ワンさんの旧宅が取り壊され、ワンさんと娘は200万人民元(約4,100万円)の補償金と新しいアパートを手にした。その後、レンさんはワンさんが法的に無能力であると主張し、自らを唯一の後見人に指定した。
義理の娘との財産争い、口座から消えた2,200万円
レンさんは義理の娘に対し財産補償金を請求する訴訟を起こしたが、裁判所はワンさんが110万人民元(約2,263万1,200円)を受領し、残額を娘に支払うのが妥当であると判決した。
その際、娘は衝撃的な事実に気づいた。父の資金がレンさんの口座に振り込まれており、レンさんが2年間にわたって多額の金を引き出していたという。中には1日に5万人民元(約102万8,700円)を振り込まれていたこともあった。結果として、ワンさんの口座にはわずか42元(約861円)しか残っていなかった。
これを受け、娘は後見人制度の変更を求める訴訟を起こした。レンさんは「夫の口座から引き出した資金は、療養施設の費用と健康補助金に充てた」と主張し、「引き出した現金は利率の良い故郷の銀行に預けた」と反論した。

しかし、娘は、毎月支給されるワンさんの年金6,000人民元(約12万3,400円)がすでに療養施設の費用および健康補助金を賄っていると指摘した。
裁判所は最終的に、娘とレンさんの両者が共同後見人としての役割を果たし、すべての財政的決定には共同署名が必要であると判断し、娘の主張を認めた。また、レンさんによるワンさんの新しいアパート分割も却下された。
裁判官は「後見人の本質は肩書きにあるのではなく、無能力となった大切な人を真摯に世話できる人物であることだ」と強調した。
この事件を知った現地のネットユーザーからは「ワンさんは再婚すべきではなかった。結局、彼は財産を失い、療養施設での生活を余儀なくされた」と同情の声が上がっている。
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