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中国「過去最大規模」の軍事パレード…米国・ロシアと何が違うのか 世界にどんなメッセージを突きつける

織田昌大 アクセス  

中国、新兵器を大量公開 軍事力誇示し西側に警告
習近平氏、プーチン氏・金正恩氏と軍事パレードを観覧 「蜜月関係」を誇示
米、ワシントンで34年ぶりの軍事パレード トランプ氏の誕生日イベントに
ロシア、ウクライナ戦投入ドローンを初公開 「戦果誇示に重点」

中国は3日午前9時(現地時間、日本時間午前10時)から、北京の天安門広場で「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念式典」の軍事パレードを開催する。5月のロシア、6月の米国での軍事パレードとどう異なるかが注目されている。各国の動向を読み解く重要な機会とみられている。

『日本経済新聞』などによれば、中国の軍事パレードは最新のハイテク技術を駆使した新型兵器や装備を公開し、軍事力を誇示すると同時に、米国をはじめとする西側諸国への戦略的メッセージを込めることに焦点を当てている。特に過去最大規模となり、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領や北朝鮮の金正恩国務委員長を招待した点が、西側への強い示唆と受け止められている。

ロシアの軍事パレードでは、最新兵器の公開はあったものの、ウクライナ戦争で実際に使用された兵器の提示にとどまっていた。戦時下という状況を踏まえ、兵力や装備の動員規模も従来より縮小され、財政的な余裕がないことから、内部結束の強化に一層重点が置かれたという。

米国のパレードは陸軍創設250周年を祝う性格が強く、軍事力誇示よりも愛国心の喚起と民心掌握に政治的意図が込められたとされる。開催日がドナルド・トランプ大統領の誕生日と重なったことから「大統領のための祭典」との批判も出た。

引用:Youtube@sbsnews8
引用:Youtube@sbsnews8

中国、新兵器を大量公開 軍事力誇示し西側に警告

中国は今回の軍事パレードに1万人以上の兵士、100機超の航空機、数百台の地上車両を投入する予定だ。兵士数は2019年と同規模だが、兵器のラインナップは大幅に刷新された。大規模な軍事パレードは6年ぶりで、事前の予行演習も3回行われている。

最大の特徴は新型兵器の公開である。極超音速ミサイル、ドローン、ステルス戦闘機、レーザー兵器、電波妨害装置、戦略ミサイル、戦車など、ほぼ全分野でハイテク技術を組み込んだ次世代装備が登場する見通しだ。人民解放軍幹部は「今回のパレードで披露される100種以上の装備はすべて国産の実戦配備可能品で、その大半が初公開の新型兵器だ」と説明した。

極超音速ミサイルは音速の5倍以上で変則軌道を低空飛行し、探知・迎撃が困難とされる。米軍の西太平洋進出を阻む強い意思が示されたと分析されている。核弾頭を搭載可能な潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「巨浪3(JL3)」も披露される予定で、従来型に比べ射程が延び、中国沿岸から発射しても米本土が射程に入る。原子力潜水艦に搭載すれば発射準備を察知されずに核攻撃が可能となる。

さらにウクライナ戦争で有効性を実証したドローンも注目対象だ。AIを搭載した新型無人ステルス機「飛鴻97(FH-97)」や無人潜水艇「AJX002」の公開が有力視される。FH-97は自律判断で有人戦闘機を護衛し、早期警戒にも対応できるとされる。習近平国家主席が掲げる「新質戦闘力」を象徴する装備だと伝えられている。

予行演習では新型ステルス戦闘機「殲35(J-35)」が北京上空を飛行した。空母艦載機としての運用が想定され、2025年に就役予定の中国3隻目の空母と合わせ、東シナ海や南シナ海での活動活発化が見込まれ、日本を含む周辺国の警戒感が高まるとみられる。

米、ワシントンで34年ぶりの軍事パレード 「トランプ氏の誕生日イベント」

米国の軍事パレードはワシントンDCで6月に実施され、陸軍創設250周年を記念する色彩が濃厚だった。ワシントンでのパレードは1991年の湾岸戦争勝利以来34年ぶりで、トランプ大統領の79歳の誕生日と重なったことから「大統領の誕生日祝賀」との批判も浮上した。

約6,700人の兵士と150台の車両が参加し、約1時間半にわたって行われた。ただし軍事力誇示とはやや趣を異にするとの見方が出ている。参加対象は陸軍に限られ、最新兵器の積極的な公開も行われなかった。あえて兵器を披露せずとも「米軍の実力は世界最強」という自信の表れと受け止められている。

むしろ米国の過去の「栄光の時代」を想起させる演出が目を引いた。独立戦争、第2次世界大戦、朝鮮戦争などで陸軍が着用した軍服を再現した部隊が行進し、観衆の愛国心を刺激した。

一方で、ウクライナ戦場で実際に使われる兵器も一部含まれた。代表例が「地上最強の戦車」と呼ばれるエイブラムスや高機動ロケット砲システム「ハイマース」だ。外部の視線を意識した対応とされ、特にハイマースは迅速な移動が可能で、前線後方にあるロシア軍拠点を攻撃できることから、ウクライナ軍の劣勢挽回に寄与している。

ロシア、ウクライナ戦投入ドローンを初公開 「戦果誇示に重点」

ロシアは5月、モスクワの赤の広場で第2次世界大戦勝利80周年を記念する軍事パレードを約1時間にわたり実施した。参加兵力は1万1,000人で、ウクライナ侵攻直後に縮小した2022年と同水準だった。このうち1,500人はウクライナ侵攻に従事した兵士とされ、戦場から動員されたのではないかとの見方も出ている。

また、ロシア軍だけでなく13カ国の外国軍も参加しており、この点も前線からの動員説を補強した。ただし、ウクライナ戦争に1万人以上を派遣している北朝鮮は参加せず、両国間の軍事協力に対する外部の視線を意識したとみられている。

軍用車両の先頭を飾ったのは旧式の「T34」戦車だった。戦場で兵力・装備が大量に消耗し余力がないとの見方と、第2次世界大戦以来の象徴的戦車を見せることで国民の戦意を高める狙いとの見方が分かれている。

ロシアはまた、ウクライナのエネルギー施設を攻撃した自爆型ドローン「ゲラン2」や偵察用「オルラン」を初披露し、3年間の戦果を誇示する狙いとみられる。自走砲「マルバ」やその改良型「ギアツィント」も公開され、同様の意図があるとされる。

戦時下であっても新型兵器を開発する余力があることを示す狙いとみられる。『日経』は「米欧による制裁が強まる中でも、ロシアは孤立していないことを内外に誇示する意図が込められている」と評価した。

織田昌大
editor@kangnamtimes.com

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