
ドナルド・トランプ米政権が途上国支援を中止したため、アフリカのジンバブエでは避妊具不足による健康問題が深刻化していると、AFP通信が16日(現地時間)に報じた。
ジンバブエ政府の公式統計によれば、2025年上半期のエイズ関連死者数は5,932人に達し、2024年同期の5,712人から増加した。
報道によると、米国の援助削減により、避妊具や抗レトロウイルス薬、基本的診療を無償で提供していた施設が機能を停止し、性産業従事者はHIV予防手段の確保に苦慮していると報じた。
2025年初めにトランプ大統領が海外保健援助を削減して以来、生計が脅かされていると訴える性産業従事者の証言も紹介された。
ジンバブエの数千人の性産業従事者の一人、シャロン・ムカカンハンガ氏(43)は、自身のバッグから赤ん坊の靴下を取り出し「米政府が避難先だったクリニックへの支援を打ち切ったとき、困窮した私はこの小さな靴下を避妊具の代用とした」と語った。
約20年間性産業に従事しているHIV陽性のセシリア・ルズビドジョ氏(47)は、援助打ち切りの影響が即座に表れたと述べ「厳しい時期で、正気を失いかけた」と語った。続けて「避妊具を入手できず、仕事に不可欠なため自らが感染リスクに直面し、顧客も危険にさらされた」と訴えた。
現地では、米国の資金援助を受けていた施設が閉鎖あるいは機能不全に陥り、限られた支援提供者も苦境に立たされている。
米政府の資金に依存しない活動を続ける国境なき医師団(MSF)は、首都ハラレ郊外のエプワースとムバレで運営するクリニックが過負荷状態にあると明らかにした。
MSFの関係者は「患者、とりわけ性産業従事者は受診先や利用可能なサービスが不明だ」と述べ、エイズ関連死者の増加を米国の援助削減と直接結びつけることはできないとしつつも、その影響は無視できないと指摘した。
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