ブラジル大統領、国連でトランプ大統領を直撃批判「主権への攻撃は容認できない」
ボルソナロ元大統領のクーデター共謀裁判めぐり「民主主義は交渉の余地なし」と強調

ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は23日(現地時間)、国連総会で演説し、米国のドナルド・トランプ大統領を名指しして「ブラジルの主権に対する攻撃は決して容認しない」と強く批判した。
ロイターによると、ルーラ大統領は第80回国連総会の基調演説で「主権に対する攻撃や恣意的な制裁、一方的な干渉が常態化している」と述べ、米国による一連の制裁措置を正面から非難した。
米国とブラジルの対立の中心には、 ジャイル・ボルソナロ前大統領の裁判がある。ボルソナロ氏は2022年の大統領選で敗北した後、クーデターを共謀した罪に問われ、懲役27年の判決を受けている。これに対しトランプ大統領は「魔女狩りだ」と反発し、ブラジルに対して50%の高関税を課すとともに、アレシャンドレ・デ・モラエス連邦最高裁判事を制裁対象とした。
ルーラ大統領は演説で「ボルソナロ氏には完全な防御権が保障されている」と強調し、「ブラジルは世界中の独裁志向者やその支持者に対し、我々の民主主義と主権は交渉の対象ではないという明確なメッセージを発した」と述べ、司法主権を擁護すると同時に、米国の内政干渉に屈しない姿勢を鮮明にした。
さらに「多国間主義の危機と民主主義の弱体化の間には明白な類似性がある」と指摘し、権威主義の再台頭に警鐘を鳴らした。
ルーラ大統領はまた、パレスチナ・ガザ地区の状況を「集団虐殺」と表現し、「数万人の子どもたちが瓦礫の下に埋もれ、国際法も同時に埋もれている」と強い言葉で非難した。
今回の総会直前にも、米国はボルソナロ裁判を担当した判事の妻を制裁対象に加え、さらにブラジル高官6人のビザを一方的に取り消した。この影響で、ブラジルの保健相が国連総会への出席を取りやめる事態に発展している。
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