
生涯をチンパンジーの研究と保護に捧げ、「チンパンジーの母」と称されたジェーン・グドール博士が、生前に米国のドナルド・トランプ大統領やテスラのイーロン・マスクCEOらを批判したインタビューを公開した。
7日にNetflixで公開されたグドール博士の生前インタビューで、彼女は「私が好きではない人々がいる。そうした者たちを、マスクCEOが作った宇宙船に乗せ、彼が必ず発見すると豪語するあの惑星へ送り出したい」と語った。
司会者がその宇宙船にマスクCEOも同乗するのかと尋ねると、グドール博士は「彼が船長だ」とし、「マスクCEOの隣にトランプ大統領とその熱狂的支持者たちが、さらにその隣にロシアのウラジーミル・プーチン大統領がいるだろう」と述べ、中国の習近平国家主席やイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の名前にも触れた。
「著名人たちの遺言」と題されたこのインタビューは、有名人とその生涯について対談した後、逝去後に公開する形式のプログラムである。3月に収録されたグドール博士とのインタビューは、彼女が1日に亡くなったことを受けて公開された。
グドール博士はインタビューで、オスのチンパンジーの行動研究を解説しながら、絶え間ない国際情勢における対立と衝突への洞察を示した。彼女は、オスのリーダーは支配力強化のため攻撃的に振る舞うタイプと、いわゆる「頭脳派」の二つに分類できるとし、「攻撃的なオスのリーダーは強く戦っても長続きしないが、頭脳派はずっと長く君臨する」と指摘した。

また、オスのチンパンジーが見知らぬ者と遭遇すると、興奮して毛を逆立て、怒りと恐怖の表情を浮かべるが、この感情は他のオスのチンパンジーにも伝播し、攻撃的な態度へと変化すると説明した。要するに、この行動には「感染性がある」と指摘した。
グドール博士は2022年、米MSNBCのインタビューにおいて、トランプ大統領の行動をチンパンジーに例え、「他のチンパンジーと優位を争うオスと同様の行動を示している」と公然と批判していた。グドール博士は、政治的抑圧や気候危機と闘う人々を励ました。
インタビューで何度も「希望」という言葉を口にしたグドール博士は、「最大の希望は、思いやりある新世代の市民を育てることだ」と語った。

司会者がグドール博士に「自身について何と言いたいか」と問いかけると、「私がこの世に送られたのは、厳しい時代に人々に希望を与えるためだ」と答えた。そして、「これが我々の知る人類の終焉だとしても、最後まで戦おう」と述べ、「誰も手の施しようがなくなるかもしれないが、諦めて受け入れるより、最後まで戦い抜いた方がいい」と力強く語った。
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