
中国空軍が、ステルス戦闘機「殲(J)-20」とステルス攻撃型無人機「攻撃(GJ)-11」による共同作戦編隊の映像を公開した。香港英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』(SCMP)が12日付で報じた。
SCMPによると、中国人民解放軍空軍は創設76周年を記念して11日に公開した広報映像の中で、電子戦を想定した有人・無人機の共同運用体制を初めて明らかにした。
映像では、GJ-11ステルス無人攻撃機が先行して目標に接近し、その後方をJ-20と電子戦機「殲-16D」が追随している。
J-20のコードネームは威竜(ウェイロン)で、中国空軍が実戦配備する最先端の第5世代ステルス戦闘機だ。J-20は米国のステルス機F-22「ラプター」に対抗する中国空軍の象徴的存在とされている。

一方、シャープソード(Sharp Sword)の名で知られるGJ-11は、精密誘導兵器の搭載が可能な攻撃型無人機で、電子戦にも対応する設計とされる。
また、076型強襲揚陸艦に搭載して運用する計画もあるという。
GJ-11は2021年の珠海航空ショーで初披露され、今年9月3日に北京で行われた抗日戦争勝利80周年の軍事パレードでも登場して注目を集めた。
J-16の改良型であるJ-16Dは、電磁波による妨害で敵の攻撃を抑制する電子戦専用機である。
電子戦では、敵の通信・レーダー・ネットワークなどを撹乱または無力化することで、味方の情報・電磁的優位を確保することが目的とされる。

SCMPによると、J-20とGJ-11の共同運用によって攻撃能力が大幅に拡張されるとみられていたが、実際の編隊映像が公開されたのは今回が初めてだという。
映像中では、GJ-11のコードネームが「翔竜08」、J-20が「威竜01」と示されており、GJ-11が先導することでJ-20の攻撃範囲を拡大し、J-16Dが電子戦能力を最大化する構成だと分析されている。
中国の軍事評論家、宋忠平氏は「有人ステルス戦闘機J-20とは異なり、GJ-11は地上から操作されるが、両機はデータを共有して連携するものとみられる」と指摘した。
さらに「強力な貫通力を持つJ-20の攻撃力をGJ-11が補完・拡張することで、敵の防空網突破能力が格段に向上する」と述べた。
宋氏はまた「J-20、GJ-11、J-16Dで構成される編隊は、ステルス機能と電子妨害能力を組み合わせ、敵のレーダー網や通信システムを無力化できる可能性がある」とした上で「現時点では、こうした協同作戦はまだ訓練段階にあるとみられる」と付け加えた。














コメント0