
自動車メーカーのホンダが、中国でエンジン事業の構造調整に乗り出したと日本経済新聞(日経)が2日に伝えた。電気自動車の急速な普及とエンジン需要の減少に対応し、合弁パートナーを変更することで経営効率を高める戦略だ。
ホンダは中国の国有自動車大手である東風汽車集団、広州汽車集団とそれぞれ合弁事業を運営してきた。1998年に東風汽車とエンジン製造合弁会社「東風ホンダ発動機」を、同年に広州汽車と完成車合弁会社「広汽ホンダ」を設立した。2003年には東風汽車との完成車合弁会社「東風ホンダ」も設立した。
今回の再編の核心は、東風ホンダ発動機の株式構造の変更だ。現在、ホンダと東風汽車がそれぞれ50%ずつ保有している株式のうち、東風汽車が保有する株式を全量売却する。広汽ホンダがこれを引き受け、追加増資を通じて2025年内に東風ホンダ発動機を広汽ホンダの完全子会社にする予定だ。
中国の自動車市場の急激な変化が今回の決定を促進した。中国では電気自動車とプラグインハイブリッド車の販売量が全体の半分を超え、エンジン需要が持続的に縮小している。東風ホンダ発動機は2024年12月決算で2億2,700万人民元(約49億9,347万円)の最終赤字を記録した。
エンジン供給価格と利益配分を巡る対立も再編を加速させた。東風ホンダ発動機と広汽ホンダ間の意見の相違が深まる中、ホンダは2023年春に東風汽車に東風ホンダ発動機の株式売却を提案した。東風汽車は当初否定的な反応を示したが、市場の変化と業績悪化を考慮し、最終的に売却に同意した。
ホンダの中国本部長である五十嵐雅行氏は「コスト公開と共同購買が可能になり、事業効率化を図れる」と今回の再編の効果を説明した。
より大きな課題は完成車事業だ。ホンダは2028年に広汽ホンダ、2043年に東風ホンダの合弁契約の満了を控えている。五十嵐本部長は広州汽車の幹部に「東風ホンダ発動機の問題が解決されるまで、2028年以降の議論はしない」と伝えたとされる。
ホンダの中国新車販売は不振が続いている。2025年1〜10月の販売量は、前年同期比20%減の52万台を記録した。年間150万台を超えていた2019〜2021年に比べると大幅に減少した数字だ。中国事業の再建が急務の中、合弁パートナーとの交渉結果が今後の事業戦略に決定的な影響を与えると日経は伝えた。














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