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「眠っている間に消える」マドゥロ逮捕が世界に突きつけた”米国の警告”

望月博樹 アクセス  

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません

わずか3時間でベネズエラの独裁者のニコラス・マドゥロ大統領夫妻が大統領官邸の自室で逮捕され米国に移送される過程を見聞きし、非常に驚いた。ベネズエラは小国ではない。人口は3,000万人にも及ぶ。そのような規模の国の首都カラカスに米特殊部隊デルタフォースがヘリコプターで侵入し、就寝中のマドゥロ大統領を逮捕したのだ。逮捕の過程でマドゥロ大統領の警護兵など80人が殺害されたと伝えられている。

航空機が150機も動員されたというのを見ると、夜のうちにカラカスのレーダー基地など防空網を無力化した後に攻撃を敢行したようだ。このような奇襲的な特殊部隊の作戦は突然行われるものではなく、数か月間準備して行われる。デルタフォースは米国内のどこかの訓練場にマドゥロ大統領室と似た構造物を作り、数か月間リハーサルを行ったはずだ。その前に米国が爆撃機でカラカスを空爆した時までは米軍のベネズエラ進軍が近いと思っていたが、このようなピンポイント作戦を展開するとは予想していなかった。

米軍の特殊作戦能力は確かに世界最強だ。中国やロシアが到底及ばない。米軍は普段の訓練は緩く見えても、このように戦闘が始まると確実に能力を発揮する。もちろん陸軍単独の能力というよりは、強力な海軍と空軍力が後ろ盾になっているからこそ可能なのだ。米軍の核心的な能力は陸軍よりも海軍と空軍にあるようだ。このような米特殊部隊の作戦は、徹底した準備と特殊部隊の卓越した能力があっても、天の助けがなければ失敗する。過去の事例を見ると、作戦成功率はそれほど高くない。

最も有名な失敗事例は1980年に起きたイラン・アメリカ大使館の人質52人救出作戦の失敗だ。「イーグルクロー作戦」と名付けられたこの作戦にもデルタフォースが動員されたが、隊員たちが乗っていたヘリコプター5機全てが砂漠の砂嵐に遭遇し墜落して失敗した。デルタフォース要員全員が戦死した。

2番目の失敗は2005年アフガニスタンの「レッド・ウィング作戦」の時だ。この時はネイビーシールズが動員され、タリバンの核心人物アフマド・シャー氏を逮捕または除去するためにネイビーシールズ要員たちがヘリコプターでアフガニスタンの山岳地帯に侵入する。待ち伏せ中に薪を取りに来た民間人の大人2人と子どもに遭遇する。原則的にはこのように敵地で遭遇した民間人を殺害すべきだったが、人道的な葛藤から解放し、事件が発生する。彼らから情報を得たタリバンが大挙して攻撃してきたのだ。この戦闘でネイビーシールズ要員19人が戦死する。1人は足に銃創を負いながらも何とか脱出して救助されたが、残りは全滅した。

3番目が1993年ソマリアのモガディシュで起きた「ゴシック・サーペント作戦」だ。デルタフォース、レンジャー部隊で構成された強襲部隊は航空機19機、車両20台と兵力210名で構成され、軍閥アイディードの参謀たちが会議をしているホテル・オリンピックを急襲し多数を逮捕したが、作戦中「UH-60・ブラックホーク」2機が民兵隊が発射したRPG-7に被弾して撃墜され、3機が損傷した。この戦闘で米軍18名が戦死し、80名余りが負傷した。

最も有名な成功事例は当然2011年5月1日にウサーマ・ビン・ラーディン氏を殺害した「ネプチューン・スピア作戦」だ。夜1時に特殊部隊員25名がヘリコプター「MH-60・ブラックホーク」2機とヘリコプター「CH-47・チヌーク」2機に分乗し、ビン・ラーディン氏の安全家屋を奇襲攻撃し、その場で殺害した。米国同時多発テロ事件以降、ビン・ラディン氏を追跡して11年目の成果だった。ここに動員された特殊部隊はネイビーシールズだが、ネイビーシールズの中でも最精鋭と言われるDEVGRU所属のSEAL Team Sixだと伝えられた。

ちなみに、最も近い事例として北朝鮮侵入失敗事例もある。2019年に同じく最強の特殊部隊であるDEVGRUが動員されたが、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩総書記の会談前、金総書記の執務室に最先端の盗聴装置を設置しようと北朝鮮に小型潜水艇で侵入しようとしたが民間人に発見され、その後偵察衛星で北朝鮮軍が現場に集結する情報が捕捉されると、戦闘が始まる前に急いで撤収させた。

3日のマドゥロ大統領逮捕事件に最も衝撃を受け、恐怖に震えている人物は金総書記だろう。米国が本気になれば、いつでも金総書記も逮捕できると通告したも同然だ。北朝鮮がいくら強力な防空網と警備を整えていても、自分が眠っている時に米特殊部隊がいつどのような方法で拉致したり殺害したりできるという恐怖心を植え付けた。

トランプ大統領がマドゥロ大統領逮捕事件で全世界に投げかけたメッセージは、帝国主義回帰など複雑な言葉ではなく、非常に簡単明瞭だ。今後誰であれ米国に軽々しく挑発したり立ち向かったりするなということだ。いわゆる「FAFO!(Fuck Around and Find Out!)」で、ウォール街の金融用語だ。トランプ大統領の政策が金融市場を混乱に陥れるたびにトレーディングデスクでよく登場する感嘆詞で、軽率に行動すればそれなりの代価を払うという意味だ。

マドゥロ大統領の行動把握に米中央情報局(CIA)のステルスドローン(無人機)まで動員されたというから、おそらく中国の習近平国家主席とロシアのウラジミール・プーチン大統領も身震いしただろう。韓国のイ・ジェミョン大統領はどのような考えが浮かんだだろうか。中国行きの飛行機で心が重くなっただろう。今ニュースを見たら、中国外交部がトランプ政権のベネズエラ大統領逮捕に関して「覇権主義」だと強く非難し始めたが、あいにくその時間に韓国大統領が中国にいるので、中国の非難に同調する形になってしまった。イ大統領の訪中は、どう考えても時期的に間違った決定だ。

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