共和党に相次ぐ造反票 上下両院でトランプ大統領に逆風広がる

米連邦議会の上下両院で、野党・民主党が主導する決議案や法案に与党・共和党の一部議員が同調し、政治的な波紋が広がりそうだ。
上院は8日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領による対ベネズエラ追加軍事作戦を制限する「戦争権限決議案(War Powers Resolution)」について、本会議での審議入りを決める動議を採決し、賛成52、反対47で可決した。共和党議員5人が賛成に回ったことで可決に至った。
賛成票を投じた共和党議員は、共同提出者でもあるランド・ポール上院議員(ケンタッキー州)に加え、スーザン・コリンズ上院議員(メイン州)、リサ・マーカウスキー上院議員(アラスカ州)、トッド・ヤング上院議員(インディアナ州)、ジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州)の計5人だった。定数100の上院は共和党が53議席を占めており、共和党側から賛成が出なければ動議は可決できない状況にある。
決議案の骨子は、議会の明示的な承認がない限り、ベネズエラに対する米軍の追加的な敵対行為を禁じる点にある。民主党の上院議員3人(チャック・シューマー上院民主党院内総務=ニューヨーク州=ら)と、共和党のランド・ポール上院議員が共同で提出した。
決議案が来週、上院本会議で可決されれば下院に送付される。下院でも可決されれば、残る手続きは大統領の署名となるが、下院での可決見通しは不透明だ。さらに、仮に可決されてもトランプ大統領が拒否権を行使する可能性が高いとみられ、決議案が実際に発効する可能性は低いとされている。
下院でも同日、「オバマケア」として知られる医療保険制度改革法(ACA)に基づく税額控除を再開し、これを3年間適用する法案が賛成230、反対196で可決され、上院に送られた。この採決では、共和党議員17人が党指導部の方針に反して賛成票を投じた。
法律に定められた税額控除は昨年末に失効しており、今年、数百万世帯で健康保険料が急騰するとの見通しが出ている。11月の中間選挙では「生活費負担」が主要争点になるとみられる。

下院(定数435)で共和党は218議席と、辛うじて多数党の地位を維持している。この状況で中道寄りの共和党議員17人が民主党側の法案に賛成し、過半数の構図を覆したことは、党指導部の統率力を揺さぶる結果だと米メディアは指摘している。
これらの決議案や法案が、それぞれ相手側の院を最終的に通過する可能性は高くないとの観測もある。一方で、共和党内部の不穏な空気が表面化した点に、ワシントン政界は注目している。
AP通信は、先週末に米軍がベネズエラの指導者ニコラス・マドゥロ大統領を急襲して拘束した後、一部の共和党議員の間で不安が表面化したと受け止められていると伝えた。憲法上、外国との戦争には議会の承認が必要だという決議案の趣旨から見ても、今月3日にベネズエラで実施された軍事作戦が「麻薬テロリスト」マドゥロ大統領に対する司法執行だったというトランプ政権の立場とは整合しにくい面がある。
軍事作戦の成功を強調し、ベネズエラの石油支配の確保にも意欲を示すトランプ大統領は、こうした動きに同調した共和党議員らを強く非難した。トランプ大統領は上院の採決直後、SNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、民主党とともに投票して「米国のために戦い、米国を守る権限を奪おうとした上院議員を、共和党員は恥じるべきだ」と批判した。
共和党議員の造反は先月もあった。インディアナ州上院は先月11日(現地時間)、連邦下院の選挙区割り調整案を賛成19、反対31で否決し、共和党議員21人が反対票を投じた。共和党が主導する同州上院は、トランプ大統領による数か月にわたる圧力を退け、来年の中間選挙を前にホワイトハウスに明確な打撃となり得る選挙区割り調整を拒んだ形だ。「CNN」は、共和党議員40人のうち過半数の21人がトランプ大統領の立場に反対票を投じ、調整案を否決に追い込んだと伝えた。
















コメント0