
米政府が国家安全保障上の懸念を理由に進めていた中国製ドローンへの制裁計画を撤回したと、香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」などが10日(現地時間)に報じた。ドナルド・トランプ大統領と習近平中国国家主席の4月の首脳会談を控え、不必要な対立を避ける狙いがあるとみられている。
報道によると、米商務省は中国製ドローンを巡る規制計画を正式に撤回した。撤回は9日、政府の制裁指定を追跡するウェブサイトに「目立たない形で」反映されたという。提案自体は、その前日にすでに正式撤回されていた。
国際危機グループ(ICG)のアリ・ワイン上級研究アドバイザーは、今回の判断について、トランプ大統領が昨年10月に習主席と合意した貿易の枠組みを維持し、4月の北京訪問時に両首脳が円滑に会談できる環境を整える意思を示したものだとの見方を示した。
在米中国大使館のリウ・ポンユウ報道官は米側に対し、「問題のリストは減らし、協力のリストは増やすべきだ」と述べた。その上で、中国企業に対する差別的な政策や不公正な措置をやめ、公正で非差別的な環境を整える必要があるとして、今回の動きを歓迎した。
今回の撤回は、米連邦通信委員会(FCC)が昨年秋、商務省の発表に続く形で、外国製の新規ドローンと主要部品の輸入を禁じる方針を示してから数週間後に決まった。
ブレンダン・カーFCC委員長は、撤回が大統領の戦略的判断に基づくものだと説明した。トランプ大統領が米国のドローン分野の優位性を本格的に強化しているとした上で、国防総省が受け入れ可能なリスク水準にあると判断したドローンについて、FCCの規制対象リストを更新したと述べた。
当初「カバード・リスト」と呼ばれた今回の規制案は、世界の商業用ドローン市場の70~90%を占める中国を事実上の対象としていた。深センに本社を置くDJIやオーテルなど中国企業の米国内販売に大きな打撃を与える可能性があると見込まれていた。米国防総省は、リチウム電池やレアアースなど他の先端分野と同様、中国技術への依存が高まることに警戒感を強めてきた経緯がある。
一方で「SCMP」は、トランプ政権が大統領判断の変化に応じて政策を翻す例が少なくないとも指摘した。
今回の決定は、昨年10月末に釜山で行われた米中首脳の会談以降、米国が中国との緊張激化を避けようとしてきた一連の動きとも重なる。米国は、中国製フェンタニル原料への関税を10ポイント引き下げ、相互関税の引き上げは11月まで凍結した。さらに、技術移転や知的財産権、イノベーションに関連する通商法301条の関税免除178件も延長している。
米商務省は今年1月、輸入ドローンに搭載される機内コンピューター、通信・飛行制御システム、地上管制所、運用ソフトウェア、データ保存装置などの使用を禁じる案を検討していると明らかにしていた。当時、一部の専門家は、事実上中国製ドローンの米国内での運用が全面的に禁じられる可能性があるとみていたが、トランプ大統領の決断で方針が覆されたと「SCMP」は伝えている。
















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