死刑の警告でも収まらず イラン反政府デモ激化、死者は少なくとも192人
「2,000人以上死亡の可能性」指摘も

2週間以上続くイランの反政府デモが、当局の強硬な鎮圧にも関わらず、各地で拡大している。武力による鎮圧で死傷者が急増する中、米国は軍事行動を含む直接関与の可能性も探っていると伝えられている。
「AFP通信」によると、デモ開始から15日目に当たる11日(現地時間)、ノルウェーを拠点とする団体「イラン人権(IHR)」は、確認できた死亡者が少なくとも192人に上ると集計した。IHRは、当局が外部との連絡を遮断するためインターネットや通信を広範囲に遮っていると指摘し、未確認情報として「2,000人以上が死亡した可能性がある」とする見方もあるとした。米国拠点の「人権運動家通信(HRANA)」は前日までの集計として、市民と治安当局側を含め、死亡者が少なくとも116人に上ると発表していた。HRANAは、犠牲者の多くが至近距離からの実弾またはゴム弾で死亡したと伝えている。
当局はデモ参加者を「暴徒」と位置づけ、強硬姿勢を続けている。モハマド・モバヘディアザード検察総長は前日、国営テレビで声明を発表し、デモに参加する者は誰であれ「神の敵」と見なし、死刑に処すことができると警告した。声明では、国家を裏切り外部勢力の支配を企てる者を直ちに裁判にかけるとし、寛容や同情、見逃しはないと強調した。
経済難が引き金となったデモは、当局の脅しにも関わらず沈静化せず、2週間の間に31州340地域へ拡大したと英紙テレグラフは報じた。英「BBC」によると、デモの激化に伴い病院には負傷者と死亡者があふれている。テヘランの病院の医療関係者は、若者が頭部や心臓に銃弾を受けて運び込まれていると証言したという。別の病院職員は、負傷者が多すぎて心肺蘇生を行う時間すら確保できないと訴えた。遺体安置所のスペースが足りず、遺体を重ねて置かざるを得なかったとの証言も出ている。
デモでは、「ハメネイに死を」などのスローガンが叫ばれ、現体制への不満が噴出していると伝えられる。最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師を批判する言葉は国内でタブー視されてきたとされ、そうしたスローガンが表に出てきたことは、世論の悪化を示すものだとの見方も報じられた。さらに一部では「シャー万歳」と叫び、1979年のイラン・イスラム革命で崩壊したパフラヴィー王朝の最後の皇太子だったレザ・パフラヴィー氏の帰還を求める声も上がっているという。
一方、米「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」は米政府関係者の話として、トランプ政権が、必要になればイランを攻撃する選択肢について予備的な協議を行い、複数の軍事目標を狙った大規模空爆も検討対象に含まれていると報じた。ドナルド・トランプ大統領も、SNS「トゥルース・ソーシャル」で「米国は助ける準備ができている」と投稿し、直接関与の意思をにじませた。













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