トランプ大統領との会談控え、欧州が交渉材料を用意との見方
安全保障で米国に依存、欧州の対応余地は限定的との観測

ドナルド・トランプ米大統領によるデンマーク領グリーンランドの併合を示唆する発言をきっかけに、米国と欧州の対立は貿易戦争へと移行している。トランプ大統領がグリーンランドに部隊を派遣した欧州諸国に対し懲罰的関税を科す方針を示したことで、欧州側も報復関税の準備に乗り出すなど大西洋を挟んだ通商摩擦が激化する兆しを見せている。
18日(現地時間)の英紙「フィナンシャル・タイムズ」(FT)によると、欧州連合(EU)加盟国はトランプ大統領の関税圧力に対応するため、二つの対策を検討している。トランプ大統領は前日、グリーンランドに少数の兵力を派遣した英国やフランスなど8か国を対象に来月1日から10%、6月1日からは25%の関税を課す考えを示した。
欧州側はまず、昨年の米欧貿易交渉の過程で準備しながらも凍結していた総額930億ユーロ(約17兆1,026億9,582万7,886円)規模の報復関税措置を再検討している。EUは米国との関税協議が決裂した場合に備え、航空機や自動車、バーボンウイスキーなどの米国製品に追加関税を課す案を用意していたが、全面的な貿易戦争を回避するため発動を見送っていた。
加えて、EUは反威圧措置規則(ACI)の発動も選択肢として検討している。いわゆる「貿易バズーカ」とも呼ばれるACIは、EUや加盟国を経済的に威嚇する国に対してサービスや外国直接投資、公共調達などの貿易を制限する制度で、2023年の導入以降、一度も適用されたことはない。「ニューヨーク・タイムズ」(NYT)はこの措置が発動されれば、アップルやグーグル、メタといった米国の大手IT企業を含むサービス分野に大きな影響を及ぼす可能性があると報じている。
欧州の対応方針は今週ベルギー・ブリュッセルで開かれる緊急首脳会議で調整される見通しだ。欧州が対応を急ぐ背景には、19日から23日に開催されるスイス・ダボス世界経済フォーラム(WEF、ダボス会議)に合わせ、トランプ大統領と会談する際の交渉力を高めたい狙いがあるとの分析が出ている。FTによると、トランプ大統領は21日から22日にダボス会議に出席し、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長ら欧州首脳と非公開で会談する予定だという。
欧州がトランプ大統領の措置を批判し、報復措置を検討している一方で、実際に取り得る選択肢は限られているとの見方も根強い。トランプ政権が譲歩する兆しを見せていないことに加え、ロシア・ウクライナ戦争が続く中、欧州が米国の安全保障支援に大きく依存しているためだ。このため、EU加盟国の多くは報復措置の検討には同意しつつも、対話による解決を優先すべきだとの立場を取っている。
これについて「ニューヨーク・タイムズ」は「欧州が貿易分野で強硬に対抗すべきだとの声が当局者や専門家の間で上がっている」とする一方で「欧州は北大西洋条約機構(NATO)を通じて米国への依存度が高く、強い対抗措置は欧州の経済や安全保障に大きな損失をもたらす可能性がある」との見通しを伝えている。
















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