
ドナルド・トランプ米大統領は21日(現地時間)、グリーンランドの併合構想を巡って対立しているデンマークに対し、恩知らずだと非難した。第2次世界大戦当時に米国が支援したにもかかわらず、グリーンランドを引き渡すよう求める米国の要求を拒んでいるというのが理由だ。
トランプ大統領は同日、スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)で演説し、デンマークと直ちに交渉を進める意向を示した。一方で、強制的な併合に踏み切る可能性については線を引き、武力は使わないと述べた。
演説では冒頭、およそ20分にわたって米国経済の成果などを強調した後、グリーンランド問題に言及した。従来と同様、米国の安全保障のためにグリーンランドの獲得が必要だという主張を展開し、この日は第2次世界大戦の経緯にも触れて正当性を訴えた。
トランプ大統領は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国には自国領土の防衛義務があるとした上で、米国以外にグリーンランドを守れる国や集団は実質的に存在しないとの認識を示した。さらに、当時デンマークは短時間でドイツに制圧され、自国とグリーンランドの双方を防衛する能力がなかったため、米国が介入せざるを得なかったと述べ、米国はデンマークのために戦ったのだと強調した。敵が西半球に足場を築くことを阻止したのも米国だとし、米国がいなければドイツ語に加えて多少の日本語を話していたかもしれないとも語った。
その上でトランプ大統領は、戦後にグリーンランドをデンマークへ返還したことに触れ、当時はそうしたが、いまはデンマークが米国の要求を拒んでいるとして、恩知らずだと批判した。第2次世界大戦で米国の支援を受けた以上、デンマークはグリーンランド併合要求を受け入れるべきだという論理である。
米国は、デンマーク領のグリーンランドを米国の領域に組み込むべきだと主張しており、デンマークや欧州の主要国は反対している。グリーンランド自治政府も、デンマークの自治領としてとどまる立場を示している。
トランプ大統領は、現在のグリーンランドでは防空システムが十分に機能していないとして、安保上の脆弱性を挙げた。米国がグリーンランドに埋蔵される希土類資源を狙っているのではないかとの見方については、そのような場所は他にも多いとして退けた。今回の動きがNATOを弱体化させるとの批判には、NATOへの脅威にはならず、同盟全体の安全保障を大きく強化するとの考えを示した。
またトランプ大統領は、巨大な氷の塊であるグリーンランドを保護し、開発し、改善して欧州と米国の双方に利益をもたらせるのは米国だけだと述べた上で、そのためにグリーンランド獲得を改めて議論する目的で、デンマークと即時交渉に入ると語った。こうした発言は、グリーンランドへの意欲を国際社会に改めて誇示したものとも受け止められている。
一方で、武力行使の可能性に言及した直後、トランプ大統領はそうはしないと述べ、武力を使う必要はなく、望んでもいないと付け加えた。さらに、米国が求めているのはグリーンランドという地域だとした上で、米国はかつて信託統治の形でグリーンランドを保有していたが、第2次世界大戦でドイツ、日本、イタリアなどに勝利した後に返還したとも述べた。
ただし、米国がグリーンランドを信託統治した事実はないとされる。米国が第2次世界大戦当時からデンマーク領内に駐留していたのは事実だが、これはデンマークとの協定に基づくものだ。
トランプ大統領は交渉の意思を繰り返し示したものの、具体的にどのように説得するかは明らかにしなかった。関連する質問に対しては、グリーンランドの運営はデンマークに数百万ドル(数億円規模)の負担を求めるもので、小国のデンマークにとって非常に高価だと指摘した上で、米国が国家安全保障と世界の安全保障のためにグリーンランドを使用することが重要であり、悪い勢力が善良な勢力に対して何もできない力になるといった一般論を述べるにとどめた。
交渉が妥結する可能性について問われると、トランプ大統領は8つを超える戦争を終結させたとした上で、自身は交渉に長けていると述べた。
















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