
イランが保有する60%濃縮ウランの所在が確認できない状況で、米国とイスラエルがイランを空爆したため、イランの核物質監視や核拡散問題の外交的解決がさらに困難になったとの指摘が出ている。
最も懸念されるのは60%濃縮ウラン440㎏の行方だ。90%以上に濃縮すれば核兵器最大10個を製造できる量だ。この物質は昨年6月、米国がイランの核施設を爆撃した際、エスファハーンの地下トンネルに保管されていたが、その後行方が分からなくなった。国際原子力機関(IAEA)も現在、この濃縮ウランの位置や状態を把握できていない。
軍事専門メディア「War on the Rocks」は、今後どのシナリオが展開されてもイランの核物質監視はさらに困難になると指摘した。米国はイランのイスラム政権が崩壊し、親西側政権が樹立されることを期待しているが、神政体制国家の政権交代が短期間で円滑に行われる可能性は低い。
イランの現体制が崩壊した場合、イランはイラクよりリビアに近い状況になると見られている。War on the Rocksは「派閥が互いに対立し、地域の勢力が競い合う中で、拘束力のある約束を結べる交渉相手が存在しない状態になる」とし、「この場合、IAEAがイランの精巧な核プログラムを監視する体制を再構築することは重大な課題になる」と予測した。
米シンクタンク、スティムソン・センターの研究員であるリチャード・クピット氏(Richard T. Cupitt)も「政権交代はおろか、政治的混乱だけでもイランの濃縮ウランを盗んだり持ち出したりする十分な隙が生じる可能性がある」とし、「イランのウラン濃縮遠心分離機が親イラン武装組織ヒズボラやISILなどイランの代理勢力に転用される危険もある」と懸念を示した。
戦略国際問題研究所(CSIS)の核専門家ジョセフ・ロジャース氏も「今回の作戦でイラン原子力庁が崩壊すれば、イランの核科学者たちが核兵器に関心のある国や(テロ組織などの)非国家主体に(核情報・物質を渡すことで)核拡散の危険をもたらす可能性がある」とし、「これは管理が困難なより広範で分散した紛争に発展する可能性がある」と述べた。
逆にイラン体制が存続すれば、イラン政権はますます命を懸けて密かに核プログラムを推進する可能性が高い。核兵器を保有していれば米国やイスラエルに攻撃されなかったという結論を出すからだ。
また専門家らは、米国がイランとの核交渉中に裏切り攻撃を実行したことが、核拡散を外交的に解決することをさらに困難にしたと指摘している。スティムソン・センターのエヴァン・クーパー研究員は「米国のドナルド・トランプ大統領が外交を拒否し武力行使を選択したことが、敵国の対米交渉参加をためらわせる可能性がある」と展望した。
ロシアの代表的な外交政策評論家であるフョードル・ルキヤノフ氏は今回の事態が「米国と交渉することはほとんど意味がない。それは軍事作戦を準備するための偽装に過ぎない」という点を示したとTelegramの投稿で明らかにした。彼は「米国の敵国は妥協の可能性が遠のくと、核兵器や他の『最後の手段』を使用する誘惑をより強く感じるだろう」と述べた。
















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