
ドナルド・トランプ大米統領がホルムズ海峡の安全保障について「利用国が責任を負うべきだ」との考えを示し、同盟国への圧力を強めている。米軍ですら投入に慎重な「キルボックス」と呼ばれる危険海域の対応を同盟国に委ねようとしているのではないかとの批判が出ている。
トランプ大統領は18日(現地時間)、自身のSNSトゥルース・ソーシャルに「我々がイランの脅威を排除した後、海峡の責任を利用国に負わせたらどうなるか興味深い」と投稿し「反応を示さない一部の同盟国も動き出すだろう」と述べた。
欧州の同盟国がホルムズ海峡での商船護衛作戦への参加に消極的な姿勢を示す中、責任を利用国側に転嫁する形で圧力を強めた発言とみられる。米国は中東産原油への依存度が比較的低い一方、日本や韓国などアジア諸国はホルムズ海峡を通じたエネルギー輸入への依存度が高い。
問題はホルムズ海峡が単なる海上輸送路ではない点にある。最も狭い地点で幅約30キロに過ぎず、周囲をイランの海岸線が取り囲んでいるため、ドローンやミサイル、自爆型無人艇による攻撃にさらされやすい構造となっている。
実際、最近ではホルムズ海峡周辺でタンカーが攻撃される事例が相次いでいる。小型高速艇や無人艇を用いた攻撃が続き、民間船舶にまで脅威が及んでいる状況だ。
こうした事情から、米海軍内部では同海域を「キルボックス(kill box)」、すなわち一度入れば脱出が難しい「死の区域」と呼んでいると伝えられている。船舶1隻を護衛するのに軍艦2隻以上が必要とされるほど危険度が高いと指摘されている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はイランが攻撃能力を有する現状では、海峡での護衛作戦の実施は極めて困難だとする軍関係者の見解を伝えた。米議会でも、軍当局が十分な対応計画を整えていないとの指摘が出るなど混乱が続いている。
こうした中、トランプ大統領は多国間の海上安全保障構想である「ホルムズ海峡有志連合」を掲げ、日本や韓国、欧州諸国に参加を求めてきた。しかし、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の多くが軍事関与に慎重な姿勢を示しており、同盟内の温度差も広がっている。
米国の専門家の間では、日本や韓国が一定の形で関与する可能性が高いとの見方が出ている。アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のジャック・クーパー上級研究員は、戦略国際問題研究所(CSIS)のポッドキャストで「日本や韓国が単純に拒否するのは難しい」とし「直接的な派兵でなくとも何らかの役割を担うことになるだろう」と述べた。
また、CSISのクリスティ・ゴベル上級顧問も「イラン情勢を受けて議論の焦点は『日本が何を提供できるか』に移りつつある」とし「同盟の結束が試される局面になり得る」と指摘した。
結果として、米軍ですら慎重姿勢を崩さない海域をめぐり、トランプ政権が同盟国の役割拡大を求める姿勢を強める中、日本や韓国は安全保障や外交、国内政治のバランスを踏まえた難しい判断を迫られている。
















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