イスラエルと関係改善を進めたUAEを見せしめに中東へ警告
イラン、制裁逃れの生命線だったUAEとの関係悪化も辞さず

先月28日(現地時間)に始まった米国・イスラエルとイランの戦争で、最も大きな余波を受けたのはアラブ首長国連邦(UAE)だ。一部では、目に見えない損失まで考慮すれば、長期的にイスラエル以上に被害が大きくなる可能性があるとの見通しも出ている。
英国国際戦略研究所(IISS)は16日、「イランは開戦以来、UAEに対して計1936発のミサイルとドローンを発射した」とし、「イスラエルに向けて発射した数を大きく上回る」と指摘した。

イランの攻撃状況を毎日集計するUAE国防省は、イランから飛来した発射体の90%以上を迎撃していると発表しているが、17日時点で8人が死亡、140人以上が負傷しており、湾岸諸国の中で最も大きな人的被害を受けている。
物的被害も少なくないが、より深刻なのは被害の広がりだ。イランはUAE国内の米軍基地や米関連施設だけでなく、金融ハブのドバイ国際金融センター(DIFC)、航空ハブであるドバイ国際空港、フジャイラの石油輸出ターミナル、ドバイのジュベル・アリ港、アブダビの油田、ドバイの高級ホテルにまで標的を広げている。
イラン軍は14日にフジャイラ港を攻撃した後、「UAE指導部に警告する。イランはUAE内の主要港湾、埠頭、そして都市各地に隠された米軍のミサイル発射基地を攻撃し、我々の主権と領土を守る権利がある」と主張した。
UAEが米軍の前進基地であることが、イランが挙げる表向きの理由だが、米軍施設がUAEだけにあるわけではない点で、特にUAEを集中的に標的にしたのは、「不安の増幅効果」を最大化する狙いがあるとの見方が出ている。米戦略国際問題研究所(CSIS)は「UAEは商業ハブと高価値の軍事資産が集中しており、イランが比較的低コストで最大の混乱を引き起こすのに最も効果的な場所だ」と分析した。

中東の交通、金融、物流の中心地であり、「最も安全な場所」との評価で投資家や観光客を引き寄せてきたUAEを攻撃することで、米国・イスラエルの先制攻撃が中東全体の安全保障と経済に打撃を与え得ることを、最も鮮明に示そうとしたということだ。
イランの報復が中東全体の痛みへと広がれば、それは米国への圧力にもなり得る。
UAEが2020年の「アブラハム合意」により、イランの敵対国イスラエルとの関係改善に積極的だった点も、イランが集中攻撃の対象にした理由と分析されている。アブラハム合意によってイスラエルとスンニ派アラブ4カ国が国交を結び、ドナルド・トランプ米政権はこの合意を拡大してイランを域内で孤立させようとした。イランは、イスラエルに近づけばどのような代償を払うことになるかを示すため、UAEを見せしめにしたとみられる。
中東で地域紛争が起きると、UAEは富裕層の逃避先として機能し、むしろ景気が持ち直すという反射的な恩恵を享受していた。しかし今回の戦争では、目の前のイランが常在的な安全保障上の不安要因として浮上しており、戦争が終わってもUAEが安心して投資できる場所であり、豪華な観光地としての評判を取り戻せるのか疑問だというのが専門家の見方だ。
実際、イランの攻撃後には多くの外国人がUAEから脱出した。「中東のニューヨーク」と呼ばれるドバイを前面に掲げ、UAEが過去30年間に築いてきた繁栄の基盤が、わずか2週間で揺らいだことで、UAEが決断を迫られる局面が近づいているとの見方もある。UAEがイランのドローン基地を直接攻撃する形で、軍事的攻勢に出る可能性もある。

UAEなど湾岸諸国はこれまで、ある程度イランの攻撃を容認してきたが、自国の生命線であるエネルギー施設が標的となり、産油量にも実際に影響が出始めたことで、忍耐の限界に近づいているとの分析が出ている。
UAEの外交政策顧問アンワル・ガルガーシュ氏は、「湾岸諸国はインフラに対する(イランの)攻撃をこれ以上黙認し続けることはできない」と述べた。カタール外務省のマジド・アル・アンサリ報道官も「イランの攻撃には代償が伴わなければならない」と警告した。
戦争前まで、UAEとイランの関係はそれほど敵対的ではなかった。むしろイランは、米国の経済制裁をUAE経由で迂回する利益を得ていたため、今回の集中攻撃は意外だとの反応が多い。言い換えれば、イランは制裁逃れの生命線だったUAEとの関係悪化をも辞さないほど、追い詰められた状況にあるともいえる。













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