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「それを教育と呼ぶのか」ウクライナの子どもたちが辿ったルート…誰もが目を疑う実態

竹内智子 アクセス  

 

引用:YouTube
引用:YouTube

9000キロ離れた見知らぬ地へ…ロシア経由で連れ出された子どもたち

ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから4年近くがたつ2020年代半ば、ウクライナを巡る人権問題の一つが国際社会に衝撃を与えている。
ウクライナ地域人権センターの人権専門家カテリーナ・ラシェフスカ氏は、米上院小委員会の公聴会で、「ロシアが占領地で連れ去ったウクライナの子どもが、9000キロ離れた北朝鮮の収容施設に送られた」と証言した。
ラシェフスカ氏は、12歳の少年ミーシャ(ミーシャ・ミハイロ)と16歳の少女リーザ(リザ・ベリザベタ)を具体例として挙げ、2人がロシアの青少年団体や、北朝鮮の「ソンドウォン国際少年団キャンプ」のプログラムに強制的に組み込まれたと明らかにした。

引用:Daum
引用:Daum

ソンドウォン・キャンプ、政治思想教育の場

ロシアがウクライナ占領地で連れ去った一部の青少年は、ロシア本土の「ロシアの第一運動(Movement of the First)」などの青少年団体に組み込まれた後、一部が北朝鮮のソンドウォン・キャンプに移送されたという。
「ソンドウォン国際少年団キャンプ」は北東部・元山近郊に位置する大規模な青少年向けの訓練・教育施設で、これまで旧ソ連圏や親北朝鮮国の青少年を対象に、北朝鮮体制を宣伝する場として機能してきた。
ここに到着したウクライナの少年少女は、北朝鮮の軍関連施設や宣伝施設を見学させられ、日常では触れることのない社会主義体制や「反帝」・反米教育を強制的に受けたとの証言が出ている。

ロシアと北朝鮮の青少年交流プログラム

2人のウクライナの10代は、ロシアの公式な青少年交流プログラムの一環として北朝鮮に移送された。
ウクライナ占領地でロシア当局の管理下に置かれた後、モスクワを経てウラジオストク、さらに北朝鮮東海岸へ向かう長距離移動を強いられたという。
このプログラムは、北朝鮮とロシアの「青少年友好」や交流行事を表向きに掲げているが、ウクライナ側の人権団体は、これを「強制的なロシア化と思想教育」の一環とみている。
ミーシャとリーザは、ロシア当局が選抜した「優秀な成果を示したウクライナの青少年」に分類され、表彰や報酬の名目で北朝鮮のソンドウォン・キャンプに送られたと報告されている。

北朝鮮式の制服と軍服…写真に映った強制動員の痕跡

米上院の公聴会でラシェフスカ氏が公開した写真には、2人が北朝鮮式の制服や軍服風のユニフォームを着ている様子が写っていた。
撮影場所の背景には、教育施設の内部やキャンプ広場、金日成・金正日像の周辺などが写っており、2人が典型的な北朝鮮の宣伝空間に置かれていたことをうかがわせる。
現時点では、2人がソンドウォン・キャンプを離れた後にウクライナへ戻ったのか、現在どこにいるのかは明らかになっていないが、人権団体の報告によれば、少なくともキャンプ滞在後も2人はロシアの管理下に置かれていた可能性が指摘されている。

反米・反日教育の注入…ロシア式洗脳の実態か

ソンドウォン・キャンプで2人のウクライナの10代が接した教育内容は、ロシアと北朝鮮が共有する「反帝」思想に基づいていたと伝えられている。
ラシェフスカ氏は、「子どもたちが『日本軍国主義者を打ち破る方法』を学び、1968年の米情報収集艦「プエブロ号」拿捕事件に関与した北朝鮮側の元軍関係者と面会した」と証言した。
こうした教育は単なる歴史教育ではなく、米国や日本を「戦争犯罪者」として描き、北朝鮮とロシアを世界平和を守る「正義の側」として繰り返し印象付ける内容だったとみられる。

ウクライナ政府と人権団体の怒り

この件はウクライナ政府と国際人権団体に大きな波紋を呼んだ。
ウクライナ人権センターは、ロシアがウクライナ占領地で160カ所以上のロシア化キャンプを運営しており、その一部が北朝鮮にまでつながる「思想教育ネットワーク」だと指摘している。
国連が認定する人権団体や専門家らは、ロシアが占領地で連れ去ったウクライナの子どもを北朝鮮の軍事・社会主義教育キャンプに送る行為を、「強制再教育」、「人権侵害」、「子どもの洗脳」と位置付けている。

子どもたちが突き付けた警告

この事件は単なる連れ去り事件ではなく、戦時下で子どもが国家間の宣伝や思想教育の道具へと転落し得ることを示す深刻な警告でもある。
ミーシャとリーザは、もともとウクライナ占領地でロシアの青少年団体に引き込まれ、その過程でロシア式の「ロシア化」に加え、北朝鮮式の体制宣伝にもさらされた形だ。
この件は、ロシアが占領地から強制的に連れ去った子どもたちの運命がどこまで広がり得るのか、そして国際社会がどう対応すべきかという切迫した問いを突き付けている。
9000キロ離れた元山の海辺のキャンプで、ウクライナの10代は自らの名前よりも先に「宣伝の素材」として扱われてしまったという点が、そこに、この事件の最も痛ましい本質がある。

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