E-3、1970年代導入後、敵による完全破壊は初
地上レーダーの限界を補う空中監視網
戦闘機を統制する空の管制塔、戦闘力の要

米空軍の中核戦略資産の一つである、E-3セントリーがイランによる奇襲攻撃で大破したと報じられた。英メディアのBBCがその様子を公開し、早期警戒管制機への関心が一気に高まっている。とりわけ米国メディアは、今回のイランの作戦について「米軍の防空網が破られた」と強い表現で伝え、波紋を広げている。
BBCは29日(現地時間)、大破したE-3セントリー早期警戒機の写真を公開した。写真では、E-3セントリーの機体が真っ二つに裂けている。
海外メディアによると、27日にイランが発射したミサイルとドローンが、サウジアラビア国内のプリンス・スルタン空軍基地を攻撃し、駐機していたE-3セントリー1機が大破したという。約3億ドル(約479億円)に上る早期警戒機が1970年代後半の導入後、敵の攻撃によって失われたのは今回が初めてだ。
該当機体は米オクラホマ州ティンカー空軍基地所属の機体番号81-0005と確認されており、修理不能な状態だという。今回の攻撃ではE-3セントリーのほかにも複数の空中給油機が損傷し、米軍関係者10人以上が負傷するなど、人的・物的被害が相当なものと伝えられている。米軍はE-3セントリーを60機余り運用しており、代替は可能なため全体戦力への影響は大きくないとみられる。ただし、個々の機体が持つ戦略的価値やコストを踏まえると、今回の大破は米軍にとって大きな損失と受け止められている。
ボーイング707を改造して製造 米国が関与した戦争のたびに投入 指揮によって戦闘力を何倍にも高める

「空の目」と呼ばれるE-3セントリーは機体上部に搭載した回転式レーダー円盤によって、最大650キロ先の航空機やミサイル、ドローンを探知する。また、他の戦闘用航空機を指揮しながら、戦場の状況を味方に伝える役割も担う。湾岸戦争、イラク戦争、アフガニスタン戦争など米国が関与した戦争のたびに投入されてきた。
E-3セントリーは1950年代に登場した輸送機兼空中給油機「KC-135ストラトタンカー」と同様、民間ジェット旅客機ボーイング707と同じ基本構造をもとに製造されており、一般的な戦闘機に比べてはるかに大型だ。こうした大型軍用機は空中では護衛機の援護を受けられるものの、地上では基地の防空網の保護を受けなければならない。1977年に初めて実戦配備されたE-3セントリーは2035年まで米空軍で運用される予定だという。

現代の空軍力において、早期警戒機は単なる監視航空機を超えた「空中指揮所」と位置付けられている。戦闘機のように目立つ活躍をするわけではないが、実際の空中戦では戦力全体の効率を左右する中核資産に挙げられる。自ら戦闘力を直接行使する兵器ではないものの、全体の戦闘力を何倍にも高める「戦力増幅器」の役割を果たすというわけだ。
早期警戒機の主な任務は敵航空機やミサイルの早期探知だ。地球は丸く、山岳地形などの影響もあるため、地上レーダー基地から約10キロ離れると、地表とレーダー波の間に死角が生じ、低高度で侵入する飛行体を探知しにくくなる。こうした限界を克服できるのが早期警戒機で高度約10キロから監視するため、広い範囲を観測・探知できる。
代表的な早期警戒機としては、米国のE-3セントリー、E-2ホークアイ、E-7ウェッジテイル、イスラエルのG550、スウェーデンのサーブ・グローバルアイ、ロシアのA-50、中国のKJ-500、KJ-2000などがある。














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