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「ただの配送機が兵器に」ドローン転用で露呈した“戦争の進化”

織田昌大 アクセス  

英製ドローンで橋破壊…配送ドローンで精密攻撃、ウクライナの新戦術

引用:ウクライナ軍
引用:ウクライナ軍

ウクライナ軍が、英国製の輸送ドローンを活用し、ロシアの重要な補給路となっていた橋の破壊に成功した。

英紙デイリー・テレグラフは7日(現地時間)、「ウクライナ軍が英国製Malloy T-150輸送ドローンを含むドローンシステムのみでロシアの橋を破壊した初の作戦を実施した」と報じた。

報道によると、今回の任務はウクライナ海兵隊所属のドローンシステム連隊が担った。

破壊された橋は、ロシアが一部を占領する南部ヘルソンに位置し、ドニプロ川下流付近にある。この橋はヘルソン周辺のドニプロ川の三角州および島嶼部への補給路として機能しており、ロシア軍が占拠する島や河川地域の兵力維持に不可欠な重要ルートとされていた。

引用:ウクライナ軍
引用:ウクライナ軍

ウクライナのオレクシ・ブラホフ副隊長(大佐)はテレグラフに対し、「橋の下部からの破壊は比較的容易だが、上部は非常に堅牢に設計されており難しい」と説明。そのうえで「ロシア兵が橋の構造物の下に立っている様子をSNSに投稿したことで、致命的な弱点を発見した」と明かした。

今回の作戦は約60日にわたって実施された。Malloy T-150ドローンは橋の上ではなく、橋脚(支持構造)の脆弱な箇所に接近し、ケーブルを用いて約50キログラムの爆薬を精密に投下した。

この工程を繰り返して構造を徐々に弱体化させ、最終的にミサイル攻撃で完全に崩壊させた。単なるドローン爆撃ではなく、工兵作戦、ドローンによる輸送、精密打撃を組み合わせた複合作戦だった。

英国製T-150輸送ドローン

今回の作戦で中核的な役割を果たしたのが、英国が開発したMalloy T-150輸送ドローンだ。

同ドローンは主に弾薬や食料、医薬品、装備、爆薬などの輸送に使用される。英国が2022年に軍事支援として提供したもので、ウクライナ軍の前線補給効率の向上に寄与してきた。

引用:ウクライナ軍
引用:ウクライナ軍

このドローンの最大の利点は、最大約68キログラムの積載能力にある。航続距離は約70キロ、飛行時間は約36分で、ジャベリンやスティンガーなどの対戦車・対空兵器を1~2セット運搬できる。またGPSによる自動飛行機能を備え、反復運用が可能だ。

ウクライナ軍は今回、T-150ドローンの機体下部に約50キログラムの爆薬をケーブルで吊り下げ、目標地点上空でホバリングさせた後、設置または投下する方式を採用した。一般的な一人称視点(FPV)ドローンのように突入する方式ではない。

約60日間でT-150の出撃回数は約30回、投入された爆薬は合計で約1.5トンに達した。この方法は橋脚内部の亀裂を拡大し、鉄筋構造にダメージを与えるとともに、小規模な攻撃を繰り返すことで敵の探知を回避する効果もあった。橋を直接破壊するのではなく、崩壊させるためにT-150の継続的な運用が不可欠だった。

「本来は配送用ドローン」

テレグラフは「今回の作戦が注目されるのは、Malloy T-150が本来攻撃用途ではない点にある」と指摘した。同ドローンは英国企業Malloy Aeronauticsが開発した物流用ドローンプラットフォームであり、もともとは配送用途を想定していた。

同紙は「T-150を本来の用途を超えて活用し、制御可能で反復性の高い方法で爆発物投下に利用した」と評価し、「こうした戦場での運用事例は、西側ドローン技術の実戦テストや改良に大きな影響を与えている」と分析した。

一方、4年以上にわたり戦闘を続けるロシアとウクライナは、停戦条件を巡って依然として対立を続けている。ロシアはドンバス地域の譲渡を要求しているのに対し、ウクライナは領土放棄を拒否している。

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